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美肌にはエクオール?~腸内細菌がお肌を若返らせるかも~

忙しい人のための要約
エクオールは腸内細菌によって作られるが、エクオールを摂取することで美肌効果や更年期症状、骨密度、メタボリックシンドロームなどが改善するという報告があります。コンセンサスなどは不明ですが、それらを考慮して利用するのはいいかもしれません。

 

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目次

◆エクオールと美肌

1.エクオールは腸内細菌によってつくられる

腸内細菌は多くの疾患などに関わっていることが明らかになってきています。最近読んだ本だと、『免疫と「病」の科学』にそのことが書かれていたように思います。

 

 

さて、その腸内細菌が作りだす「エクオール」という物質が、美肌に関わっているかもしれません。エクオールについて、『腸内フローラ10の真実』より引用します。

 

エクオールは大豆イソフラボンの仲間です。ただし、大豆そのものには含まれていません。大豆の中に含まれるイソフラボンを、腸内細菌が変化させることで生まれています。

『腸内フローラ10の真実』P59-60

 

下の図はイソフラボンが腸内細菌をかいして、エクオールが作られる過程を示したものです。上記の引用をもうすこし詳しくすると、エクオールは、大豆イソフラボンの中のダイジン(ダイゼイン)が、腸内細菌によって代謝を受けてつくられる物質です。

 

資料(1)より引用

 

 

2.エクオールを摂取するとシワが浅くなった

2012年のMatsunagaらの報告があります(2)。50~60代の閉経している日本人女性およそ100人を対象にしたものです。

 

本実験は無作為化二重盲検という、信頼性が高いといわれる方法でおこなわれました。簡単にいえば、実験をおこなう側も、おこなわれる側も薬がホンモノ(エクオールが入った錠剤)かプラセボ(エクオールが入っていない偽薬)かわからない状態で実験をおこなったということです。

 

さて、対象になった方に3カ月間にわたり、エクオールが入った錠剤またはエクオールがはいっていない偽薬を飲んでもらい、目じりのシワを追跡しました。結果は以下のようになりました。

 

大塚製薬『11.閉経後女性の肌老化におけるnatural S-equol摂取の影響:無作為化プラセボ対照パイロット試験』より引用、原典(2)

 

エクオールを摂取した人は、プラセボ群と比較して、しわの面積が有意に減少しました。また、エクオール(30mg)群とプラセボ群とのあいだでは、しわの深さに有意差がありました。

 

つまり、エクオールを摂取していた群のシワが浅くなったということです。この実験では、ホルモン状態や婦人科検査で異常は見られませんでした。

 

 

◆エクオールのそのほかの効果

1.更年期症状(ホットフラッシュ・肩こりなど)

こちらも二重盲検プラセボ対照試験となっています(3)。1日1回以上のホットフラッシュがある160人の閉経後の日本人女性を対象にしています。結果は以下のようになりました。

 

大塚製薬『12.Natural S-(-)equolの摂取は、閉経後日本人女性のエクオール非産生者におけるホットフラッシュおよび他の更年期症状を改善する』より引用、原典(3)

 

エクオール群は、プラセボ群と比較してホットフラッシュ頻度が減少しました(-1.9±1.8/day:-58.7% vs -1.0±2.0/day:-34.5%;p=0.009)。エクオール群では、プラセボ群と比較して、首や肩の硬さの重症度が有意に低下しました。重篤な副作用などは報告されませんでした。

 

 

2.骨密度(骨粗鬆症)

こちらも二重盲検無作為化プラセボ対照試験です。エクオール産生がない閉経期の日本人女性93人に対して、1年間実施しました(4)。エクオール産生がないについては後述します。結果は以下のようになりました。

 

大塚製薬『9.Natural S-equolは、閉経後日本人女性のエクオール非産生者における骨吸収を軽減する:無作為化プラセボ対照パイロット試験』より引用、原典(4)

 

エクオール(10mg)群は、骨吸収マーカーである尿中デオキシピリジノリンが有意に減少していました。実験において、血清中の性および甲状腺ホルモン濃度は、介入後の4群間で差はありませんでした。

 

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3.メタボリックシンドローム

無作為化二重盲検試験です。メタボ外来を受診している、BMI25以上の肥満症である日本人49人を対象にしています(5)。エクオール10mgまたはプラセボを摂取してもらいました。結果は以下のようになりました。

 

資料(1)より引用、原典(5)

 

エクオールの摂取により、血清低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、CAVIスコア(動脈硬化の指標)の有意な減少が認められました。その影響は、女性のエクオールの産生がないグループでより顕著でした。

 

 

◆エクオールが産生できる日本人は半分

内山の報告には(1)、エクオールが自分の体内で産生できる人の割合について、以下のように記載されています(一部読みやすさを考慮し改編)。

 

疫学研究の結果をもとに全世界のエクオール産生者の割合をまとめてみると、日本、中国、台湾などの大豆の食習慣がある地域ではエクオール産生者が約50%であり、その他の欧米およびオーストラリアでは約30%となる。

大豆由来の新規成分 “エクオール” の最新知見

 

エクオールが産生できる割合:資料(1)より引用

 

日本人はエクオールを産生できる・できないが五分五分ということですね。またエクオール産生、非産生については以下のように示されています。

 

エクオールの産生には、男女差、遺伝的素因は関係ないが、いくつかの食物因子(食物繊維、大豆、海草など) との関係が報告されている。

また、年齢による違い、特に日本においては若年層での産生者の低下が示唆されている。食事の西洋化に伴う大豆食品摂取量・頻度や腸内環境の整備に必要な食物繊維等の低下が問題視されている。

しかしながら、エクオール非産生者に乳酸菌やオリゴ糖、食物繊維等を摂取させ、腸内環境を改善しても産生者にはならなかったとの報告もあるため、エクオールを産生する能力を有する腸内細菌(エクオール産生菌)を有していない人にとっては食事による根本的な改善は期待できないのかもしれない。

大豆由来の新規成分 “エクオール” の最新知見

 

もともとエクオールを作りだす能力がない人は、食生活などの工夫を実践しても、エクオールを作りだせるようになる可能性は低そうです。

 

エクオールが作りだせるか、作りだせないかは簡易キットでわかるそうでなので、興味がある方はやってみるのもいいかもしれません。

 

 

 

◆老け顔と腸内細菌の関係

以前、『老け顔は短命!~見た目年齢(肌)と寿命の関係について~』、『額(おでこ)・眉間のしわが深いと心臓病のリスクがあがる』などの記事を書きました。

 

つまり、老け顔(シワが深いなど)というのは、寿命や疾患と関係があるようです。そして、その老けについて腸内細菌が関わっている。腸内細菌が良好であると、そういったところにも好影響があるかもしれませんね。

 

 

◆まとめ&注意点

エクオールの効果について書いてきました。調べてみたのですが、システマティックレビューなどは見当たりませんでした。効果(治療)にかんして、どれほどコンセンサス(合意)が得られているのかもいまひとつわかりません。

 

また、今回紹介した論文などは大塚製薬などが関わっており、信頼性がたかい実験方法を選択しているといえど、中立性については一定の疑念はぬぐえません。

 

今回紹介した報告では、有害事象などは認められませんでしたが、植物性のエストロゲン様作用を有するフィトエストロゲンをふくむ数十種類のサプリメントを摂取していた高齢者が、不正出血したという症例報告があります(6)。

 

過剰に摂取しなければ問題ないとは思いますが、サプリメントや薬剤の組みあわせによっては、なにかしら問題が生じる可能性もありますので、注意が必要でしょう。

 

参照:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A(食品安全委員会)

 

エクオールを摂取してみようかなと考えている人は、そういう不確実性、リスクなどを考慮していただけたらとおもいます。

 

【資料】

(1)内山成人、大豆由来の新規成分 “エクオール” の最新知見、日本食品科学工学会誌:62 巻 7 号 p. 356-363.2015

(2)The effects of natural S-equol supplementation on skin aging in postmenopausal women: a pilot randomized placebo-controlled trial.[PMID:21934634]

(3)A natural S-equol supplement alleviates hot flushes and other menopausal symptoms in equol nonproducing postmenopausal Japanese women.[PMID:21992596]

(4)Natural S-equol decreases bone resorption in postmenopausal, non-equol-producing Japanese women: a pilot randomized, placebo-controlled trial.[PMID:21252728]

(5)Usui T.et al.Effects of natural S-equol supplements on obesity and metabolic syndrome in the Japanese, based on sex and equol production.Clin Endocrinology 78, 365-372.2013

(6)河西 邦浩香西 祥子、数十種類のサプリメントの摂取が原因で性器出血を呈したと疑われた高齢女性の2症例、女性心身医学:22 巻 2 号 p. 170-175.2017

 

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