2021 オススメ書籍

     

    2021年も年末をむかえ、読んだ本の中から厳選した14冊を紹介したいと思います(恣意的です笑)。

    参考:
    ・2019年上半期に読んだオススメの書籍 厳選22冊!
    ・2019年下半期に読んだオススメの書籍 厳選18冊!
    ・2020年上半期に読んだオススメの書籍 厳選16冊!
    2020年下半期に読んだオススメの書籍 厳選20冊!
    2021年上半期に読んだオススメの書籍 厳選14冊!

     

    ジャンルは人文・ビジネス・哲学(思想)・医療・ノンフィクションなどで、小説などは除外しました。ちなみに順番は読み終えた順番なので、最初がとくにおススメというわけではありません。感想は読書メーターのものをもとにしているので、である調になっています。

     

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    1.日本の教育はダメじゃない/小松光、ジェルミ―・ラプリー

    いままでの日本の教育が国際的にどんな状況であるかをピザやティムズなどのデータをもとにして解説している。結論はタイトルあるように日本の教育はまぁまぁうまくいっているよう。勉強時間なども過剰に多いわけではないのに成績はよい。

    日本の教育問題は教師側の労働環境の改善であろうと思う。日本の教師の労働時間は諸外国と比してべらぼうに多いのである。部活動や事務処理など分業化することでもっと授業などに資源を割くことができるはず。なんとなくで改革を断行することも慎重になるべき(教師の更新制導入など)。示唆深い本であった。

     

     

    2.シュルレアリスムとは何か/巖谷國士

    シュルレアリスムとシュルレアリズムの違いも分かってなかった自分にはいろいろ学びになった。ユートピアの濫用もなるほどなと。知的好奇心を刺激される良書。なんとなく読んだ内容が心の澱となって様々な生成に関与してきそう。

    とくに興味深かったのは17世紀くらいまで『子ども』がいなかったという歴史学の指摘(アリエスの「〈子供〉の誕生」など)。もちろんここで指摘されているのは現在でいう『子どもの概念』である。もっと分かりやすくいえば、子どもは大人の小型(小さい人)として認識されていたということ。 

     

     

    3.日本語のレトリック/瀬戸賢一

    そもそもレトリックとはなにか。『レトリックとは、あらゆる話題に対して魅力的なことばで人を説得する技術体系である。』(P7)。紹介されている技法を読んでいると、知らぬ間にレトリックを使って日常生活を過ごしていたのだなと。

     

     

    4.最後の資本主義/ロバート・ライシュ

    いかに権力者たち(大企業、金融業界、国会議員、官僚、株主など)が都合よく社会構造を変えてきたかを事例を踏まえて解説。日本でも稼げないのは自己責任や能力不足といった新自由主義的な価値観が充満しているが、権力者に洗脳されて利用されているだけ。詐欺師が「騙されるほうが悪いんだよ」と詭弁を用いてくるのに似ている。

    おそらくアメリカのように日本の社会もますます悪化していくことは間違いないだろう。日本人が政治に無関心な「大衆」から積極的に参政する「市民」にならなければ日本は滅びるだろう。初学者には難解かもだが必読。

     

     

    5.アメリカンドリームの終わり/ノーム・チョムスキー

    いかに富裕層中心の社会構造が生まれるかを平易に書いている。ライシュの『最後の資本主義』を噛み砕いた内容で初学者には本書を先に読むことをお勧めする。

    富裕層にとって民主主義や福祉、国民生活の安定といったものは権力を掌握する上で邪魔なもので憎むものでしかない。故にそれらを破壊することに熱心になる。日本もまさにその状態であろう。財政赤字の危険性を訴え社会保障の縮小や増税、規制緩和による労働者の不安定化(非正規化)など枚挙にいとまがない。確実に日本国民もこのままいけばとんでもないことになる。

     

     

    6.お金の流れでわかる世界の歴史/大村大次郎

    世界史は権力闘争が連綿と続いているものだと思った。権力は富(時代によって土地やゴールド、お金など変遷)で強化されるものであり権力と富は切っても切れない関係である。

    現在は富裕層たちが大金を費やして自分たちに都合のよい社会構造・圏(株主資本主義・プルトノミー)を構築している。経済格差は拡大し、国家の生活保障は脆弱化している。筆者が述べているように今はフランス革命前に似ており、いずれ市民たちの社会構造革命が起こるのではないか。ソ連が崩壊したのは腐敗や過剰な非効率によって不平等が大きくなったからというのは興味深かった。

     

     

    7.やや黄色い熱をおびた旅人/原田宗典

    紛争地域を巡ったときのエッセー集。戦争はやっぱりよくない!のような感想では物足りないが、かといって様々な感情が去来するためなんとも表現が難しい。日本に住んでいることが本当にありがたいことだなと思う。スイッチひとつで電気がつき、蛇口を捻れば安全な水が出てきて、地雷の心配をせずに自由に歩ける。

    もちろんそれだからといって進歩や向上心を否定するようなことに至ってはいけない。戦争だって貧富の格差が拡大して起こることも多いのだから、国民は不断の努力で国家の安全保障を志向する必要がある。憲法にも明記されるからね。

     

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    8.読書について/ショーペン・ハウアー

    自分で考えることの重要性を説く。本を読むことは「考えている」のではなく「他人の考えをなぞっている」だけ。媒体が変わっただけでネットやメディアの言説を鵜吞みにして右往左往してしまう現代人への警句として捉えることもできるだろう。足を鍛えるために思考のリハビリが必要だろう。

    『ほとんど一日じゅう、おそろしくたくさん本を読んでいると、何も考えずに暇つぶしができて骨休めにはなるが、自分の頭で考える能力がしだいに失われてゆく。いつも馬に乗っていると、しまいに自分の足で歩けなくなってしまうのと同じだ。』(P139)

    参照:管見読書論~読書の方法やとらえ方について書いてみた~

     

     

    9.AV女優ちゃん/峰なゆか

    AV女優をしていた筆者の体験記みたいな感じ。めちゃくちゃ笑える。AV業界のさまざまな慣習や悪行?を知ることができる。爆乳ちゃんの生い立ちや大人たちによって都合よく搾取されている部分は泣きそうになった。可愛い服やトイプードルをググってニコニコしている普通の女の子なのに。障害者の蔑視場面も考えさせられた。

    ちなみに筆者が女優をしていたのは2005-09年とのことで、出演強要事件などがあってから規制が厳しくなっているいまの業界とは変わっているかもしれない(業界人じゃないのでわからない)。シリーズもので第2作まででている(2021年7月現在)

     

    10.脳はすこぶる快楽主義/池谷裕二

    論文をもとにしたエッセイシリーズの3冊目。知的好奇心を刺激される良書。

    血液型性格診断みたいなものがある。血液型と性格は関係ないというのがコンセンサスだと思うが、もしかしたらそれは誤っているかもしれない。血液型によって赤血球の「表面のざらつき」が変わってくるようで、それが血流のスムーズさなどにも影響があるよう。アメリカの研究(日本人含む)によればO型の人は自殺するリスクが低いそうだ。血液型なんて関係ないと思っていたが実は間接的に関係しているのかも。そんなことを思うと人体の奥深さを思わずにいられない。

     

     

    11.進化の法則は北極のサメが知っていた/渡辺佑基

    筆者のフィールドワークをベースにして代謝量理論(体重が大きいと代謝量が小さくなる)と体温(体温が高くなると化学反応の速度があがり代謝量があがる)を軸に「生物の進化(多様性)は物理量(法則)によって規定されている」という統一理論を解説している。

    この理論によって子どものときは時間の流れが遅く、大人になると速く感じることも説明できる。つまり体の大きさが変化した(成長が止まる)ことによって、体重1㎏あたりの代謝量が変化したことが原因なのである。物理法則の与える影響(偉大さ)を再認識した。面白い本である。

     

     

    12.銀河の片隅で科学夜話/全卓樹

    宇宙、生物、数学、倫理分野の科学エッセイ。小難しい言葉が多くて読みにくい感はあり。内容は不知のことが多く興味深かった。

    『多数決の秘められた力』の「ガラム理論=多数決をおこなう場合、2割(17%)に満たない確信をもった少数派の意見がその他全体の意見に優先される」や『言葉と世界の見え方』の言語構造によって世界の認識や対応が変わってくる、アリの世界も人間社会と類似しているなどが印象的であった。

     

     

    13.文化がヒトを進化させた/ジョセフ・ヘンリック

    遺伝子の変化(突然変異)によって人は他の動物と異なる進化をして優占種となったと考えている人が多い(遺伝子→生理・心理→行動・文化という一方向的因果関係)。遺伝的進化を駆動してきた最大要因は文化進化であり、文化進化があったから人は人になれた。

    人には模倣志向があるが現代は詐欺師的なインフルエンサーも多くおりそういう人たちはメディアのパワーを使って誇張するため注意が必要だろう。集団脳(集団知)も個人の知を圧倒するが集団的浅慮というリスクも存在する。いろいろ学びになり読後は世界の認識が変わる良本である。

     

     

    14.奇想版 精神医学事典/春日武彦

    連想ゲームといった感じで様々なジャンルの話題が次々に出てくる。解説で穂村弘氏が「言葉のびっくり箱」と評しているが言い得て妙であろうと。この本を読まないでいたら死ぬまで知ることのなかった世界(無知の外)があると思うと感慨深いものがある。

    個人的には詩人の粕谷栄市氏を知ることができたのがよかった。現代詩は読まずにきたので本書を読まなければ知ることなくこの世を去ったのではないかと。筆者は精神科医であり精神医学関連の話題や思い出話なども興味深いものが多かった。しかし本書は合わぬ人には合わないかもしれない笑

     

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    一冊くらいは気になる書籍があったでしょうか?

     

    気になったものがあれば、ぜひ手にとって読んでもらえたらなと思います。

     

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