理学療法士 おすすめ書籍

     

    2020年も年末をむかえ、読んだ本の中から厳選した20冊を紹介したいと思います(恣意的です笑)。

    参考:
    ・2019年上半期に読んだオススメの書籍 厳選22冊!
    ・2019年下半期に読んだオススメの書籍 厳選18冊!
    ・2020年上半期に読んだオススメの書籍 厳選16冊!

     

    ジャンルは人文・ビジネス・哲学(思想)・医療・ノンフィクションなどで、小説などは除外しました。ちなみに順番は読み終えた順番なので、最初がとくにおススメというわけではありません。感想は読書メーターのものをもとにしているので、である調になっています。

     

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    1.表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬/若林正恭

    調子こいてんのって言われるかもしれないけど、人見知りの芸人が書いた本なんて大したことないと思ってたのよ(ハスってるんじゃないよ!笑)。

    悪ふざけはこのくらいにしといて、実になかなか面白かった。オードリー若林さんのキューバ旅行記である。あんまり内容を述べてしまうとネタバレして感動が薄くなるから詳しくは書かないでおこう。ひとまず読んでみるといい。あまり細かく書かずにシンプルな描写が多く、それが良い感じでリズムを生んでいて読みやすかった。新自由主義から脱するためにキューバに行くなんてなかなかオシャレな理由だ。

    追記:2020年10月に書き下ろしが加筆された文庫が出版されています。

     

     

    2.格差は心を壊す/リチャード・ウィルキンソン&ケイト・ピケット

    社会格差が人間に与える悪影響について膨大なエビデンスをもとに書かれている。新自由主義下で自己責任論が強調される風潮に一石を投じる良書。

    人には信頼協調的な面と支配従属的な縦横の相反する心理があり社会構造によってどちらが強く発露するか変わってくる。格差を是正するために所得の再分配や企業民主化などの対策が提言されている。日本はデフレであり企業の自発的な改革を期待するのは難しい。まずは政府が率先して法整備などをおこなう必要があろうがPB黒字化のようなナンセンスな目標を掲げるような政府には難しいであろう。

    参考:税金の意味・役割についてMMT(現代貨幣理論)から解説

     

     

    3.類似と思考/鈴木宏昭

    「①思考は規則、ルールに基づいたものではない②類推は思考を含めた認知全般を底支えしている③類似に基づく思考=類推は、三項関係(準抽象化を含む)で成立する」という主張を科学的根拠をもとに解説している。専門的な内容が多く、実験内容などの説明が理解しにくい部分があり難解であった。

    類推は利用可能性ヒューリスティックに影響を受けるので、知識や経験をアップデートすることで類推の幅や柔軟性を向上させることを意識しないとなと思った。類推っていうハイレベルなことを子どものときからしている人間ってすごいなと思う。

     

    以下の本を、合わせて読むと理解がしやすいかなと思いました。

    ・『RANGE 知識の「幅」が最強の武器になる
    ・『アナロジー思考
    ・『言語力
    ・『学びとは何か

     

     

    4.すらすら読める風姿花伝/林望

    能芸論でもあり、人生論でもあり、処世論でもあり読む人に多様な示唆を与えてくれる本であろうと思う。

    『秘すれば花』という言葉が有名である。ビジネスでは希少性、アカデミアでは新奇性、そういった言葉に言い換えることが可能であろうと。つまり思いもよらぬ楽しみこそ「花」である。毎日見ていると飽きてしまうが、枯れて再び花を咲かせるとまた以前と同じような興趣が生まれる。お笑いやファッションでも回帰みたいなことが起こるけどそういうことなのかなとも思った。苦言を呈すと現代語訳のほうが原文より難解になってる部分がある笑

     

     

    5.世界は贈与でできている/近内悠太

    資本主義社会ではあらゆるものが商品化する。人でさえ労働力として商品と化す。そんな競争的な社会で贈与を意識することが大切であると指摘する(そもそも資本主義ゆえに贈与の存在が顕在化する)。

    新自由主義的な思想が広まり、今だけ今だけ金だけ自分だけという価値観が主流となりつつある。しかし、今の自分があるのも先人たちの贈与があったためであることを忘れてはならない。道路も水道も学校も電気も突然現れたわけではないのである。本書の贈与論は新自由主義的な思想に対向するための有力な武器であり教養になるのではないかと思った。

     

     

    6.最大多数の最大幸福/ベンサム、近藤たかし

    功利主義について大まかに把握できるし、ストーリー自体も面白い。新自由主義的な思想が強まる中、功利主義の幸福をいかに分配するか(総和を増やすか)というのは重要な視点であると思う。しかし「最大多数の最大幸福」が弱者切り捨ての方に真逆に解釈されているのは残念。

    功利主義に客観的な幸福計算が難しい、パターナリズムに陥りやすいといった短所があるのも事実だろう。トロッコ問題などでも同様に批判される。しかし、本書でもベンサムが言うように一生に一度あるかどうかの極端な事例を持ち出して功利主義の本質が歪むのは避けた方がいい。

     

     

    7.雇用・利子および貨幣の一般理論 ーまんがで読破ー/ケインズ

    政府が率先して公共事業により需要を生み出せというのは、いまの緊縮財政まっただ中の日本に必要な提言ではないかと。

    ケインズが提唱する自由社会主義(人々が社会的・経済的な正義を促進するために組織的共同体として行動し、個人の選択の自由や信条・精神・表現・事業・財産を尊重し保護していく社会)って資本主義や共産主義の折衷的な感じでいいなと。あと漫画自体が可愛くて、ケインズが亡くなったシーンなどはジンときちゃうくらい感動だった。

     

     

    8.図解 心理学用語大全/田中正人

    いつも紹介しておりますが、このシリーズはとても専門用語をかわいいイラストとともに解説してくれるのでおすすめです。

    哲学用語図鑑
    続 哲学用語図鑑
    社会学用語図鑑

     

     

    9.キミのお金はどこに消えるのか/井上純一

    貨幣や経済、財政、反緊縮など知っておきたい基礎的なところがまとまっていると思う。漫画なので文字を読むのが苦手な人でも取っつきやすいのではないだろうか。

    本書に書かれている内容くらいは常識レベルとして国民が知っておきたいところ。いまだに財政破綻や緊縮思想がはびこって、日本国が弱小化、国民が貧困化しているのは嘆かわしいことである。

    参考:理学療法士が反緊縮を理解するためのおすすめ本3選

     

     

    10.財政破綻論の誤り/朴勝俊、シェイブテイル

    経済・財政・経営などの素養がないと理解するのが難しいかなという印象であるが、内容はすばらしいものである。貨幣とはなんぞやからはじまって、「だれかの負債はだれかの資産」という重要な点をバランスシートを用いて解説、財政破綻論・ハイパーインフレの嘘を論破し、なにが必要なのかを説く。

    中野剛志氏の「奇跡の経済教室」を先に読んでおいたり、三橋貴明氏のYouTubeなどを援用しつつ読むと理解が促進されるのではないだろうか。本書に記されていることに多くの国民が気づけば、日本はまた世界を牽引する偉大な国に戻れるはず。

    参照:税金の意味・役割についてMMT(現代貨幣理論)から解説

     

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    11.財政赤字の神話/ステファニー・ケルトン

    私のように経済や財政などの基礎的な知識がない人が、いきなり本書を読むとやや難しいかもしれない。しかしながら、MMT(現代貨幣理論)そのものや、その先にある財政政策の哲学的なことを知るには欠かせない良書であると思う。

    初学者はいきなり本書に手を出すのではなく、中野剛志さんの書籍『奇跡の経済教室【基礎知識編】』や三橋貴明さんの動画『「財政破綻するー!」を完全論破 政府の赤字は国民の黒字|MMT国際シンポジウム特別講演』で基礎を固めて理解がしやすいのではないかと思う。

    参照:税金の意味・役割についてMMT(現代貨幣理論)から解説

     

     

    12.「うつ」は炎症で起きる/エドワード・ブルモア

    主にうつ病に関連する免疫系、デカルトの心身二元論、歴史(医学の流れ)、進化学、治療の展望(アルツハイマー病や統合失調症などにも言及)など。炎症もうつ病の原因のひとつとして考えられ、サイトカインなどの免疫反応(炎症)が関与しているのではないかと。今後は炎症を指標にしたうつ病治療が行われるか。

    「炎症(感染症)→感染拡大を抑制するためのうつ病」という進化学的な考察はなるほどなと。慢性炎症が心疾患や代謝疾患などに関連していることも研究からわかってきており、これから抗炎症は重要な医療になっていくのではないだろうか。

     

     

    13.人間は料理をする 上:火と水/マイケル・ボーラン

    料理研究体験記といった感じだろうか。上巻では火と水に焦点をあてる。火と料理が消化吸収の効率化や食事にかける時間が短縮化し人類の進化に寄与した「料理仮説」や料理のプロセスに関与しなくなったことでの野蛮化論、料理離れによる第二の食行動による不健康化など非常に思索になるトピックが充実していた。

    食品産業などに料理を代行化することで時間を産出し効率化を図ってきたように思えるが、その実はただの横着であり人間としての生き方を毀損しているのかもしれないと感じた。終盤の電子レンジ食の実践体験記は非常に考えさせられた。

     

     

    14.人間は料理をする 下:空気と土/マイケル・ボーラン

    主に微生物(菌)との共生(共進化)についてという感じ。パンや発酵食品に微生物がいかに関わっていてるかを体験やインタビュー、科学的見地などを絡めつつ掘り下げていく。資本主義経済システムのなかで人々の健康が蔑ろにされていることや発酵食品と宗教の関連(キリスト教におけるパンとワイン)、パスツール以降の過度な微生物排除への警鐘など充実した内容であった。

    上下巻で一貫して感じるのは「今ここ」という禅的感性の復権。効率(合理)化の中で失われた人間的生活の重要性を思わずをいられなかった。人間は料理することで人間をもつくる。

     

     

    15.会計の世界史/田中靖浩

    会計そのものや歴史のみならず美術(絵画)や音楽といったほかのカルチャーをうまく絡めた非常に面白い本である。この本を読んで世界史を軸にもう一度いろいろ学んでみようと思い、世界史の本を買ってしまったほど。ファイナンスとかファンドとか耳にするけどよくわからない言葉の意味が歴史の流れを通じておおまかに理解できた。

    さまざまな偉人の話も入っているので、話のネタとしても重宝できそうである。筆者が終わりに書いているように、やや正確性を欠くところはあると思うのでそこは注意が必要かなと。

     

     

    16.歪んだ正義/大治朋子

    SNSなどで意見の合わない人に暴言に近いようなことを発している人を見かけること、自身もそのようなことが増えているような気がして自戒内省のために読んでみた。これはすべての人にお勧めしたい良書である。いかに人はテロなど過激化するのかということをエビデンスをもとに書かれている。

    個人的にはリソース保存モデルのストレスの資源のバランスシートの考えかたが非常に興味深かった。これが過激化する人としない人の分水嶺的な見方になるとは。生態学的システム論もマクロとミクロがいかに相互関係にあるかを学術的に学べてよかった。

     

     

    17.世界標準の戦争と平和/烏賀陽弘道

    まったく安全保障云々を知らない自分にとっては世界の見方や認識が変わる本であった。まず排他的経済水域や接続水域、領海の違いや領海の無害通航について知るだけでも中国が尖閣諸島にやってきてる!侵略だ!といったリスク過剰な考えに陥らずに冷静に対応できるようになるのではないだろうか(もちろん中国が脅威ではないということではない)。

    本書で述べられているように米国は政権が変わることでガラリと政策指針が転換される。日本も米国に阿諛追従するのではなく、自国の防衛力を拡張しながら狡猾(現実)的に外交をしていかないといけない。

     

     

    18.完全版 生ごみ先生が教える「元気野菜づくり」超入門/吉田俊道

    美味しい野菜は虫は食べない(食べられない)というのは意外だった。フィトケミカルなど野菜の栄養が豊富だと寄せつける物質があまり出ない、消化しにくく避けると。元気な野菜を作るには発酵した土が重要。農薬を使った野菜と科学的に比較してみるなどやってみると面白そう。

    苦言を呈すれば、自分のように農をまったく知らない人がこの本だけ読んでも野菜作れないよなぁと。けっこう発酵土を作るのに湿度などが重要のようで、本の解説だけではよくわからんって思った。素人がやると腐敗したりウジとか大量発生して失敗しそう。

     

     

    19.白米が健康寿命を縮める/花田信弘

    口腔衛生悪化による菌血症(血液の中に侵入した菌が慢性炎症などの害をなすこと)が癌や高血圧(動脈硬化)、心筋梗塞など全身の病気に関わっていることを研究などをもとに紹介。

    筆者の考えとしては「糖質」が口腔衛生悪化の原因であり、糖質制限(良質な糖の摂取)が重要とのこと。糖質制限に関しては糖代謝の悪化なども考えらるため原価にやり過ぎとそれはそれで糖尿病などの温床になるのではないかと。口腔ケアも重要であり歯科受診や3DSといった治療法を推奨。もう少し口腔ケアの方法を解説してくれたほうがよかったかなという印象。

     

     

    20.食事のせいで死なないために[食材別編]/マイケル・グレガー

    ※『食事のせいで死なないために[病気別編]』を先に読んだほうがよろしいです。

    プラントベースに変えるときにどのような食品を食べればいいのか、どう調理すればいいのかなど実践的な内容が主になっている。

    たとえばブロッコリーにはスルフォラファン(以下スル)という有用な栄養素が含まれているが、スルを生成するための酵素は熱処理に弱い(腸内でスルが生成されるという報告もあり熱処理によりまったく摂取できないわけではないが摂取量は減ってしまうだろう)。そのため刻んでからすぐに熱処理せず40分ほど置いておく。その間に酵素によりスルが生成される。スル自体は熱にも強いので破壊されずしっかり摂取できる。

     

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    一冊くらいは気になる書籍があったでしょうか?

     

    気になったものがあれば、ぜひ手にとって読んでもらえたらなと思います。

     

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