最強の野菜スープ、あなたの体は9割が細菌、失われてゆく、我々の内なる細菌、食べものが劣化する日本、本当は危ない国産食品、感染症の日本史、あなたはなぜ「カリカリベーコンのにおい」に魅かれるのか、ゲノム編集食品が変える食の未来、植物はなぜ薬を作るのか、世界史を動かした脳の病気、みんなの「わがまま」入門などを紹介。

     

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    2021年も折り返しをむかえ、読んだ本の中から厳選した14冊を紹介したいと思います(恣意的です笑)。

    参考:
    ・2019年上半期に読んだオススメの書籍 厳選22冊!
    ・2019年下半期に読んだオススメの書籍 厳選18冊!
    ・2020年上半期に読んだオススメの書籍 厳選16冊!
    2020年下半期に読んだオススメの書籍 厳選20冊!

     

    ジャンルは人文・ビジネス・哲学(思想)・医療・ノンフィクションなどで、小説などは除外しました。ちなみに順番は読み終えた順番なので、最初がとくにおススメというわけではありません。感想は読書メーターのものをもとにしているので、である調になっています。

     

    1.最強の野菜スープ/前田浩

    野菜などを熱するとビタミンCなどが破壊されてしまう、生野菜のまま摂取したほうがいいとなんとなく考えていた。しかし、本書を読んでそれほど気にしなくていいと思うようになった(一部のデータは査読付きの論文等に発表されているわけではないよう?なのでこの表現)。

    野菜の細胞壁は非常に強固なようで生のまま摂取してもフィトケミカルなど有用な栄養素が吸収しにくいと(熱することで壁が破壊され吸収効率が高まる)。ビタミンCが破壊されるのは実験室でビタミンC単体を熱した結果によるもので野菜などでは問題ないと指摘している。

     

     

    2.あなたの体は9割が細菌/アランナ・コリン

    腸内微生物が身体的・精神的健康や栄養吸収など様々なことに関与しているということが論文などをもとに書かれている。

    現代は微生物との関係が3つの側面から脅かされている。①抗生物質の過用②食物繊維不足③出産育児の方法。食物繊維の摂取が重要であろと思うけど腸内細菌異常増殖症候群というものがあり、食物繊維の摂取を控えたほうが症状が軽減するという報告もあるよう(個人によって工夫が必要であろう)。出産育児時の母から子への腸内細菌移行は生物の精妙な進化を思わずにはいられなかった。人は腸内細菌とともに生きている。

     

     

    3.失われてゆく、我々の内なる細菌/マーティン・J・ブレイザー

    あなたの体は9割が細菌』と被っている部分あり、やや専門的で難解かなという印象。ヘリコバクターピロリ菌がアンフィバイオーシス(両義的:敵にも味方にもなる)であることを研究をもとに解説。口腔に緑色連鎖球菌などほかの菌もそういう側面を有していると。

    全身状態に影響するため口腔衛生を清潔に保とうということがいわれているが、マウスウォッシュなどでの過剰な殺菌・清潔志向は逆に身体に悪影響があるかもしれないなと(頻回の歯磨きなどは健康効果が報告されている)。筆者はプロバイオティクスの健康効果には懐疑的であるよう。

     

     

    4.食べものが劣化する日本/安田節子

    日本の食料安全保障(生活安全保障の一分野)は危機的状況にあるなと再認識。グリホサート、遺伝子組み替え、ゲノム編集、ネオニコ系、有機リン、ホルモン剤、抗生物質、食品添加物などの有害性がデータなどをもとに指摘されている。

    司法で敗れたり、オーガニック市場の隆盛により世界の市場から追放されたアグリビジネスの獲物になったのが日本である。すでに種子法廃止や種苗法改正など着々と地ならしが進みつつある。外国への種子海外流出を防ぐためなどと自民党支持している人は考えているようだがそれが詭弁であることは間違いないだろう。

     

     

    5.本当は危ない国産食品/奥野修司

    食べものが劣化する日本』と被っている部分もあるが、相互補完的な感じでどちらも読むと理解が進んでいいかなと思う。本書のほうが作家が書いたということで読みやすいかな。

    ネオニコチノイドとグリホサートが主に取り上げられてる。世界が反農薬(農薬を規制する)に向かうなか、日本はアグリ企業から要請を受けたアメリカ政府の指示を受けて規制緩和をするという真逆の方向へいっている。食糧安全保障を考えると非常に由々しき事態である。すでに種子法は廃止され種苗法も改正されようとしている。国民がしっかり食糧安全保障を考えないと。

     

     

    6.感染症の日本史/磯田道史

    科学はエビデンスの蓄積であり既知の分野に強い反面、コロナのような未知の分野には脆弱な面がある。そういう科学の脆弱面を相互的に補完するのが歴史である。

    感染症の歴史を探っていけばコロナにどのように対策を講じればいいのか、どういった対応は避けるべきなのかが見えてくる。本書ではスペイン風邪がコロナに類似しているとして多く取り上げられている。たしかにスペイン風邪とコロナの流行は今時点で非常に類似した流行を呈している。いまの日本政府の対応を見ていると歴史的に失敗したことを活かせていないと暗澹たる気持ちになる。

     

     

    7.How Not To Diet/Michael Greger

    いかに無駄なダイエットをしないかということを膨大な科学的根拠(5000弱)をもとにして書いている本。結論を言ってしまえば「プラントベース(ホールフード)」の食事をしなさいということ。肉、卵、乳製品、加工されたジャンクフードなどの摂取を最小限に抑え、果物、野菜、豆類、全粒穀物、ナッツ類、種子、キノコ類、ハーブやスパイスなどの摂取を最大限にすること。

    ダイエット(減量)は一時的な食生活の変更ではリバウンドするため半永久的抜本的な変更が必要。ほかにも運動や睡眠、腸内細菌などと減量の関連についても言及されている。

     

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    8.あなたはなぜ「カリカリベーコンのにおい」に魅かれるのか/レイチェル・ハーツ

    いろいろな研究をもとに感覚が味覚にいかように影響を与えるかというのをつらつら書いている。たとえばなんで飛行機の中でトマトジュースが人気なのか?じつは騒音のなかだとうまみを強く感じることが研究から示唆されており、トマトにはうまみが豊富なのである。飛行機→騒音→うまみを感じやすい→うまみが豊富なトマトジュースがおいしく感じられて頼まれるという理路というわけである。

    いろいろ面白いのだけど、研究の羅列感がすごくて途中で食傷気味になってしまう。つまみ食いならぬつまみ読みくらいがちょうどいい本かなと笑

     

     

    9.Your Body in Balance/Neal D Barnard

    プラントベース食の効能と食品環境(抗生物質やホルモン剤、遺伝子組み換えなど)について。女性の疾患(不妊、月経前症候群、乳がん、更年期障害など)が大きく取り上げられていて食事とホルモンの影響が複合的に関係しているんだなと勉強になった。

    たとえば肥満の人は脂肪過多であるが、脂肪細胞はホルモンを産生する工場のような存在であり、肥満女性はそれによってホルモンバランスが崩れることで多くの症状が出現するとのこと。そのため肥満の人はまず脂肪を減らすことが重要である(減量しても脂肪が減ってないと効果ない)。

     

     

    10.ゲノム編集食品が変える食の未来/松永和紀

    本書は反農薬や反遺伝子組み換え、外資系アグリ企業による日本進出などに反論するものであり、そういう系統の本を読んでいたのでいろいろ考えさせられた。また食の安全の3要素など食糧安全保障、遺伝子組み換えとゲノム編集の違いなど知らないことが多々あり学びになった。

    私は公的機関がリスクの低さを認めているから安全であるといった論調にやや懐疑的である。利益相反やロビー活動などお金が動けば科学的知見や指針が変わることはよくある。公的機関といえど所詮は人の集まり。農薬が腸内細菌に影響を与えるなど検証しているのだろうか。

     

     

    11.植物はなぜ薬を作るのか/斉藤和季

    門外漢である私にとっては本書の内容はやや難解であるが、植物の代謝経路や生存戦略、薬効のメカニズムなど知らないことが多くあり学びになった。冒頭に書かれてる体調不良のチンパンジーが薬(寄生虫の駆除)としてキクの髄液を飲み回復させているという話が非常に興味深かった。

    食事療法としてプラントベース食がエビデンスが蓄積されつつあるが、人でも同じように薬として効果があることを思うと、まさに医食同源だなと。そもそも人は構造的に肉食には適していない。腸が長いとか3色型色覚を有しているのは果実を見つけるのに有利とか。

     

     

    12.「代謝」がわかれば身体がわかる/大平万里

    門外漢にはやや難解かもしれないが、筆者がだいぶかみ砕いてくれてるので高校生レベルの素養があれば通読できるだろう。人体内で代謝がいかような経路でどのような反応を起こしているか大枠を把握することができる。たとえばタマゴサンドを食べてそれがどのように栄養として体内に消化吸収され異化同化に至るのか。

    本書を読めば「○○を飲めばいい!」「△△は健康に良くない!」というステレオタイプ的な宣伝文句がいかに根拠薄弱なものかわかると思う。膝痛に安易にグルコサミン、お肌にコラーゲンというのも考えものである。

     

     

    13.世界史を動かした脳の病気/小長谷正明

    表題そのままいかに病気が歴史に関わっていたかをいろいろ知ることができる。もし病気がなければ歴史がガラリと変わっていたかもしれない。ロマンでもあり恐怖でもある。

    本書で紹介されている太平洋戦争中のアメリカ大統領のルーズベルトは高血圧や狭心症がありヤルタ会談ではほぼ使い物にならない状態であったようでソ連有利に密約が結ばれたとのこと。もし元気な状態で会談に臨んでいたら日本への侵攻などもなかったかもしれない(逆も然りであるが)。個人の病気が世界の歴史を変えてしまうというのはなかなか面白くもあり考えさせられた。

     

     

    14.みんなの「わがまま」入門/富永京子

    コロナ禍で給付金などの議題があがると「甘えるな」「自己責任だろ」「不平不満を言うな」といった論調が一定数ある。本書を読めばこのようなステレオタイプ的な発言がいかに弱者排除、言論抑圧などの社会運動の停滞に関わってくるか理解できるだろう。給付金を配ることの社会的益と損の検討が必要であるのにそこまでに至らないように阻害してしまうことが問題なのである。

    歴史を思えば「わがまま」を権力者が抑圧していればいまでも多くの差別が酷かったであろう。「わがまま」にこそ社会の歪みがあるかもしれないと意識することが大切。

     

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    一冊くらいは気になる書籍があったでしょうか?

     

    気になったものがあれば、ぜひ手にとって読んでもらえたらなと思います。

     

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