忙しい人のための要約
    ・口腔衛生は全身に影響がある
    ・デンタルフロスを先にしたほうが歯垢の除去、フッ化物濃度を高めることができるという研究報告がある

     

     

    ◆口腔衛生は全身に影響 1日1回はデンタルフロスを

    口腔衛生は口内のみならず、認知症や嚥下機能、筋力(サルコペニア)、糖尿病、循環器疾患、早産体重児出産など広範囲に関係していることが示唆されています(1)。

     

    口の中を清潔に保つことは、重要ということですね。

     

    アメリカ歯科医師会は1日1回のデンタルフロスを推奨しています(2)。

    The American Dental Association (ADA) recommends “brushing twice a day and cleaning between teeth with floss (or another interdental cleaner) once a day.”
    米国歯科医師会(ADA)は、「1日2回のブラッシングと1日1回のフロス(または他の歯間清掃剤)による歯間の清掃」を推奨しています。

     

     

    ◆デンタルフロスと歯ブラシはどっちが先がいいのか?

    (1)専門家の間でも意見がわかれている

    医師によってもどちらを先にするべきか意見がわかれているそうです(3)。

     

    デンタルフロスを先にしたほうがよいとする人たちは、プラークを落としやすくする、フッ素が届きやすくなるといったメリットを挙げています。

    Some dentists argue that flossing should come first because you stir up the particles and plaque that the toothbrush can brush away subsequently. The fluoride from your toothpaste is also more likely to reach the interdental areas if food wedged in between the teeth is removed before brushing.
    一部の歯科医は、歯ブラシが後で磨くことができる粒子やプラークをフロスがかき混ぜるので、フロスを最初にするべきであると主張しています。また、歯磨きまえに歯と歯のあいだに挟まった食べものを取りのぞくと、歯磨き粉のフッ化物が歯間部に到達する可能性が高くなります。

     

    たいして、歯磨きを先にしたほうがよいとする人たちは、最初に歯を磨いて粒子を取りのぞくことで、デンタルフロスの効果を高めることができると主張しています。

    Others recommend brushing be done first and their rationale is that brushing teeth first removes the bulk of the particles on the teeth and flossing afterward can remove interdental plaque better.
    他の研究では、ブラッシングを先に行うことを推奨している人もいますが、その根拠は、最初に歯を磨くことで歯に付着した粒子の大部分が除去され、その後にフロスを行うことで歯間のプラークをより良く除去できるというものです。

     

    どっちが正しいのでしょうか?

    実験してみればわかりますね。

     

    スポンサーリンク

     

    (2)RCTによる臨床研究

    25人の歯科学生を対象にした研究です(3)。

     

    歯ブラシ→デンタルフロス、デンタルフロス→歯ブラシと順番を変えて、歯垢やフッ化物濃度の違いを調べました。

     

    歯垢についてはRustogi Modified Navy Plaque Index(RMNPI)を用いました。これは歯の表面を9つの領域に分けて、プラークの有無(スコア=1)または不在(スコア=0)をスコア化したものです。

     

    結果です(注:フッ化物濃度は高いほうがよい)。

    デンタルフロス 歯磨き 順番 どっちが先

    資料(3)より作成

     

    The results showed that flossing followed by brushing is preferred to brushing then flossing in order to reduce interdental plaque and increase fluoride concentration in interdental plaque.
    歯間プラークを減少させ、歯間プラーク中のフッ化物濃度を高めるためには、フロスに続いてブラッシングを行うことが好ましいことが示された。

     

    つまり、この研究からは、デンタルフロスを先にするほうがよさそうということが示唆されますね。

     

    研究の注意点としては、対象者が少ない、若年者を対象にしており高齢者などに適応できるか不明、対象者が歯科学生であり一般の人にも同じように効果があるか不明などが考えられます。

     

    【文献】
    (1)小林 恒, 口腔と全身との関係, 日本調理科学会誌, 2017, 50 巻, 5 号, p. 213-215
    (2)Vernon, Lance T., Andre Paes B. Da Silva, and Jason D. Seacat. “In Defense of Flossing: Part II-Can We Agree It’s Premature to Claim Flossing Is Ineffective to Help Prevent Periodontal Diseases?.” (2017): 149-158.
    (3)Mazhari, Fatemeh, et al. “The effect of toothbrushing and flossing sequence on interdental plaque reduction and fluoride retention: A randomized controlled clinical trial.” Journal of periodontology 89.7 (2018): 824-832.

     

    スポンサーリンク

     

    Pocket
    LINEで送る