[ad#ad4]
◆プロローグ
◆乳酸とは
白ご飯やパン、麺類などの炭水化物は、体のなかに入るとグルコースという物質に分解されます。
グルコースをピルビン酸という物質に変えていくまでの流れを、解糖系といいます。このピルビン酸から乳酸が作られます。
◆乳酸と疲労は関係ない?
アレックス・ハッチンソンさんの『良いトレーニング、無駄なトレーニング』より引用します。
従来、乳酸は運動における諸悪の根源だと考えられてきました。(中略)
しかし、現在ではこの考えが誤りであることが明らかになっています。実は、乳酸は筋肉痛を生じさせる物質ではなく、筋肉にとって不可欠の燃料だったのです(中略)。
◆ビタミンB₁が重要
グルコースがピルビン酸になるまでが解糖系でした。解糖系は細胞質というところで行われています。
解糖系で作られたピルビン酸をATPに変えていくためには、ミトコンドリアでアセチルCoAという物質に変えていく必要があります。
→ピルビン酸(解糖系)
→アセチルCoA(ミトコンドリア)
ということ?
このTPPはビタミンB₁からつくられます。ここに大きな問題があります。
糖質が過剰に多いと、ビタミンB₁欠乏症になるのです。
日本人は糖質を中心に食生活を送っている人が大半です。
つまり、ビタミンB₁欠乏症になりやすいのです。糖質過剰で、鍵であるビタミンB₁が不足するとどうなるでしょうか?
◆ビタミンB₁不足で乳酸がたまっていく
ビタミンB₁が不足すると、ピルビン酸をアセチルCoAに変えることができなくなります。
つまり、ピルビン酸の渋滞がおこるわけです。
こうなると、必然的にピルビン酸を乳酸に変えざるをえなくなります。すなわち、乳酸がたまっていくわけです。
ビタミンB₁不足について、三石巌は著書『からだの中から健康になる長寿の秘密』で、電車のなかで居眠りしている人はビタミンB₁が不足しているからではないかと指摘しています。
朝、電車に乗っているとこっくりこっくりしている人が多いのも、ビタミンB₁が不足が原因かもしれませんね。
◆コリ回路によってエネルギー欠乏へ
アセチルCoAに変えることができなかったピルビン酸は、乳酸になります。
からだには乳酸がたまらないように、乳酸をもとのグルコースに変える機能があります。その機能の流れのことをコリ回路といいます。
コリというのは、この経路を発見したコリ夫妻のことです。
乳酸は肝臓に運ばれます。そこで糖新生という体内で糖をつくる代謝を経て、グルコースに戻されます。
そして全身にもどり、解糖系を経て、ピルビン酸になります。このぐるっと回るながれをコリ回路といいます。
コリ回路(Wikipedia)から引用します。
ATPの数を見てみると、1回あたり嫌気呼吸で2分子のATPが生成し、糖新生で6分子のATPが消費されるため、正味4分子のATPが減少している。このためコリ回路はエネルギー消費系(同化過程)である。
◆乳酸をためるな!
乳酸をためてしまうと、間接的に疲れやすくなってしまうことがわかったと思います。乳酸をためないためにはどうすればいいのか?方法としてはふたつあります。
①糖質をへらす(糖質制限)
②ビタミンB₁を増やす
①糖質をへらす(糖質制限)
まずは糖質の過剰摂取をやめることでしょう。つまり、糖質制限をするということです。
糖質はビタミンB₁を多く消費し、ビタミンB₁欠乏症を引きおこします。ビタミンB₁が不足すると、ピルビン酸をアセチルCoAに変えるTPPという補酵素が足りなくなります。
したがって、まずはビタミンB₁を消費してしまう糖質の量を減らすことが重要なのです。
②ビタミンB₁をふやす
もうひとつは、ビタミンB₁をしっかり摂取することですね。ビタミンB₁が足りていれば、ピルビン酸をアセチルCoAに変えることができますから。
ビタミンB₁はとくに豚肉に豊富にふくまれています。ウナギなどにも多いようです。
手軽に摂取したい人は、ビタミンBのサプリメントもありますので、利用されてみてもいいかもしれません。
ビタミンBは多くの代謝に欠かせないものですが、不足しやすいのでサプリメントのほうが効率的かもしれません。
したに紹介しているLIFE STYLEのサプリメントは、天然(自然)のもので、防腐剤・人工着色料・化学溶解剤・食塩・砂糖は一切使用していないのでおすすめです。コンプレックスといって、ビタミンB群をまとめてとれるので、小分けにとるより楽です。
【資料】
(1)良いトレーニング、無駄なトレーニング、アレックス・ハッチンソン(児島修訳)、草思社、2012
(2)超入門生化学・栄養学、穂苅茂ら、照林社、2006
(3)からだの中から健康になる長寿の秘密、三石巌、祥伝社黄金文庫、2016
(4)コリ回路(Wikipedia)
(5)生化学辞典第4版、今堀和友ら、東京化学同人、2007
[ad#ad3]