忙しい人のための要約
    ・キャベツを巻くと変形性膝関節症の痛みなどにメリットがあるかもしれない
    ・アブラナ科に含まれるスルフォラファンによるものかもしれない
    ・高スルフォラファン食により滑液内の遺伝子発現に変化があった

     

     

    ◆キャベツを巻くことが治療だと言う女性

    72歳の女性が、膝に人工関節を入れるため手術をしました。

    術後、キャベツの葉を手術していない膝に、テープで留めているのを見かけました。変形性関節症の症状を緩和する唯一の方法であり、キャベツの葉が膝の形によくフィットすると彼女は言いました(1)。

     

    欧州ではキャベツを湿布のように貼るのは、民間療法として歴史があるようです。

     

    しかし、本当に効果があるのでしょうか?

     

     

    ◆変形性膝関節症に対するキャベツのRCT

    2016年に変形性膝関節症に対する、キャベツの効果を検証したRCTが発表されました(2)。

     

    研究の対象者は、Kellgren-Laurence分類Ⅱ~Ⅲの変形性膝関節症を有する人たち81人(女性42人、平均年齢65.9±10.3歳)。

    患者さんを以下の3つの群(27人ずつ)にわけました。

     

    ①キャベツを巻く群(cabbage leaf wraps:CLWs):毎日少なくとも2時間
    ②局所鎮痛ゲル群(topical pain gel:TPG):ジクロフェナク10mgを少なくとも1日1回
    ③通常ケア群(usual care:UC)

     

    痛みの評価はVASを用いており、結果は以下のようになりました。

     

    キャベツ 変形性膝関節症

    資料(2)をもとに作成

     

    痛みはキャベツを巻く群と通常ケア群では、キャベツを巻く群は有意に痛みが減少しました。キャベツを巻く群と局所鎮痛ゲル群では、有意差はありませんでした。

    ほかにも、以下のような結果が認められています。

     

    Significant effects were also found in WOMAC, SF-36, 30-second Chair Stand Test, and PPT scores in the CLW group compared with the UC group. Compared with TPG, effects from CLW were found for WOMAC after 4 weeks and for quality of life after 12 weeks.
    また、UC群と比較してCLW群では、WOMAC、SF-36、30秒椅子立ちテスト、PPTスコアにも有意な効果が認められた。CLW群はTPG群と比較して、4週間後のWOMAC、12週間後のQOLに効果が認められた。

     

    まとめとしては、以下のように書かれています。

     

    CLWs are more effective in the management of knee OA than UC, but not more than topical diclofenac gel. Therefore they might be recommended in patients with OA of the knee. CLWs seem safe and may be used in the longer term. However, further research is warranted
    CLWsはUCよりも膝OAの管理に有効であるが、ジクロフェナクゲルよりは有効ではない。したがって、CLWは変形性膝関節症の患者に推奨されるかもしれません。CLWは安全であるように思われ、長期的に使用される可能性がある。しかし、さらなる研究が必要である。

     

    キャベツは安全で効くかもしれないけど、より研究が必要であろうとのことですね。

     

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    ◆効果の原因はスルフォラファンか?

    なぜキャベツが効くのでしょうか?

     

    キャベツのようなアブラナ科の野菜の摂取は、炎症性マーカーと逆相関しているという報告があります(3.4)。

     

    これはアブラナ科の野菜に含まれるスルフォラファンと呼ばれる、抗酸化物質による可能性が報告されています(5)。マウスを対象にした実験では、スルフォラファンが関節の軟骨損傷を遅らせる可能性が示唆されています(6)。

     

    ではスルフォラファンの効果は、人間ではどうなのでしょうか?

     

    2017年の論文で研究されています(7)。

     

    変形性膝関節症の患者は手術前の14日間、低スルフォラファン食と高スルフォラファン食にランダムにわけられました。

    高スルフォラファン食群では滑液中にスルフォラファンが検出されましたが、低スルフォラファン群では検出されませんでした。そして、関節内の遺伝子発現に影響を与えていることが示されています。

     

    Proteomic analysis of synovial fluid showed significantly distinct profiles between groups with 125 differentially expressed proteins.
    滑液のプロテオーム解析では、125種類の異なる発現タンパク質を持つ群間で、有意に異なるプロファイルが示された。

     

    研究が進んで、食事療法で変形性膝関節症に効果があることが示されるといいなと思いますね。

     

    【参考文献】
    (1)BMJ 2003;326:1406
    (2)Lauche, Romy, et al. “Efficacy of Cabbage Leaf Wraps in the Treatment of Symptomatic Osteoarthritis of the Knee.” The Clinical journal of pain 32.11 (2016): 961-971.
    (3)Jiang, Yu, et al. “Cruciferous vegetable intake is inversely correlated with circulating levels of proinflammatory markers in women.” Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics 114.5 (2014): 700-708.
    (4)Navarro, Sandi L., et al. “Cruciferous vegetables have variable effects on biomarkers of systemic inflammation in a randomized controlled trial in healthy young adults.” The Journal of nutrition 144.11 (2014): 1850-1857.
    (5)Durham, Andrew, et al. “The anti-inflammatory effects of sulforaphane are not mediated by the Nrf2 pathway.” European Respiratory Journal 44.Suppl 58 (2014).
    (6)Javaheri, Behzad, et al. “Stable sulforaphane protects against gait anomalies and modifies bone microarchitecture in the spontaneous STR/Ort model of osteoarthritis.” Bone 103 (2017): 308-317.
    (7)Davidson, Rose, et al. “Isothiocyanates are detected in human synovial fluid following broccoli consumption and can affect the tissues of the knee joint.” Scientific reports 7.1 (2017): 1-10.

     

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