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不思議な世界観(奇妙な味)の小説~厳選8作品~

今回はおススメの本を紹介したいと思います。

 

ジャンルとしては不思議な話・奇妙な味に限定してみました。

 

太郎
奇妙な味ってなんっすか?

 

と思われた方がいると思いますので、まずはそこから説明していきたいと思います。

 

 

◆奇妙な味とは

奇妙な味とは、本来は探偵小説や推理小説のうちの「変格ミステリ」と呼ばれた作品の一部であった。江戸川乱歩の造語で、ミステリともSFとも、また怪奇小説ともつかない特異な作風を指す。論理的な謎解きに主眼を置かず、ストーリー展開及びキャラクターが異様であり、読後に無気味な割り切れなさを残す点に特色があり、短編作品でその本領が発揮されることが多い。

(Wikipedia)

 

厳密に定義するのは難しいですが、大まかにはなんともいえない不気味な読後感を残すのが特徴といえますね。

 

では紹介していきます。ちなみに、紹介する書籍の概要については、Amazonの商品の説明より引用しています。

 

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目次

1.南から来た男/ロアルド・ダール(Roald Dahl)

緊張感あふれる表題作のダール「南から来た男」をはじめ、ポー、ウェルズ、ブラッドベリら11人の名手による、英米ホラーの傑作を選りすぐったアンソロジー第2弾。魔法の瓶に翻弄される男を描くスティーヴンソン「小瓶の悪魔」、ぶきみな味わいのデ・ラ・メア「不思議な話」など、新訳10編と訳者による翻案1編を収録。 

 

本書はホラー短編集のアンソロジーになっています。アンソロジーというのは、いろいろな作家の話を、ある基準で選び集めたもののことです。

 

このなかに「南から来た男」が収録されています。これはなかなか怖いですよ。

主人公がプールサイドのデッキチェアに腰かけていると、奇妙な老人が話しかけてくるというところからストーリーが始まるのですが、この老人が不気味なんですね。不気味っていうのは、正気と狂気の間にあるような気がします。その微妙な「ゆらぎ」が、人の恐怖を煽(あお)るのかもしれません。

その老人は主人公たちに「とある賭け」を持ちかけるのですが……。翻訳本が苦手でなければ、ぜひ読んでみてはどうかと思います。

 

 

2.白い服の男/星新一

横領、強盗、殺人……こんなたぐいの犯罪は一般の警察にまかせておけばよい。わが特殊警察の任務はただひとつ――人間が作り出す平和の虚妄性を痛烈な皮肉をこめて描く表題作。男っぽく言葉づかいのぞんざいだった妻が一夜あけるとすっかりしとやかな女になっていた――軽妙なタッチで医学の進歩の盲点を衝いた『月曜日の異変』。ほかに、『老人と孫』『テレビシート加工』など全10編。 

 

言わずと知れたショートショートの神様、星新一の作品です。ショートショートというのは、すこしユーモアの効いたオチがある掌編小説(短編より短い)のことです。1980年代くらいに非常に人気が出たのですが、今は知っている人も少なくなっているかもしれません。

さて、本書に収録されている「白い服の男」。

これもなかなかイヤな余韻、読後感を抱く作品です。平和とはなんだろうか?ということを考えさせられます。この本は私が中学生の時に、日本史の先生が授業中に話していたのがきっかけで知りました。買うのはちょっとな……という人はWikipediaにも紹介されているので、こっちを読まれてもいいかもしれません(→白い服の男)。ちょっとつまんないですけどね。

 

 

3.雪沼とその周辺/堀江敏幸

小さなレコード店や製函工場で、時代の波に取り残されてなお、使い慣れた旧式の道具たちと血を通わすようにして生きる雪沼の人々。廃業の日、無人のボウリング場にひょっこり現れたカップルに、最後のゲームをプレゼントしようと思い立つ店主を描く佳品「スタンス・ドット」をはじめ、山あいの寂びた町の日々の移ろいのなかに、それぞれの人生の甘苦を映しだす川端賞・谷崎賞受賞の傑作連作小説。

 

奇妙な味とは違いますが、なんともいえない不思議な読後感があるので、本書もおススメに選びました。

まず、本書の特徴は非常に美しい文章です。文章が美しいというのは、なかなか伝わりにくいのですが、読んでもらえればわかると思います。そして、起伏のないストーリーです。ゆえに、SFや冒険といったエンターテインメント系の小説が好きな人は苦手かもしれません。純文学系が苦手でない人はぜひ読んでもらえたらと思います。

起伏のないストーリーを読者に読ませるのって、そうとう腕がないと難しいです。本書は、そういう点においてホントに素晴らしい作品だと思います。私はとくに、「河岸段丘」という作品が好きです。

 

 

4.穴/小山田浩子

仕事を辞め、夫の田舎に移り住んだ私は、暑い夏の日、見たこともない黒い獣を追って、土手に空いた胸の深さの穴に落ちた。甘いお香の匂いが漂う世羅さん、庭の水撒きに励む寡黙な義祖父に、義兄を名乗る見知らぬ男。出会う人々もどこか奇妙で、見慣れた日常は静かに異界の色を帯びる。芥川賞受賞の表題作に、農村の古民家で新生活を始めた友人夫婦との不思議な時を描く2編を収録。 

 

これもやや純文学系の作品なので、エンターテインメント系が苦手な人はあんまり面白くないかもしれません。本書の現実感に少し非現実感が混在してくるところは、なんともいえぬイヤな感じがします。なんか、こう安定しない椅子に座っているような感じです。本書に収録されている「ゆきの宿」も、なかなか味わいがある作品です。

 

 

5.夜明けの縁をさ迷う人々/小川洋子

世界の片隅でひっそりと生きる、どこか風変わりな人々。河川敷で逆立ちの練習をする曲芸師、教授宅の留守を預かる賄い婦、エレベーターで生まれたE.B.、放浪の涙売り、能弁で官能的な足裏をもつ老嬢…。彼らの哀しくも愛おしい人生の一コマを手のひらでそっと掬いとり、そこはかとない恐怖と冴え冴えとしたフェティシズムをたたえる、珠玉のナイン・ストーリーズ。

 

これもなかなかの不思議な短編集です。河川敷で逆立ちの練習をする曲芸師、エレベーターで生まれ育つE.B.、涙を売る女性、銀山に不思議な男……。これだけでも奇妙さが伝わるかなと思います。

私が好きだったのは「銀山の狩猟小屋」という話ですね。銀山の狩猟小屋を格安で譲りたいというところから話が始まるのですが、そこにいた管理人が不思議な男なんですね。まあ、読んでみてください。

 

 

6.武装島田倉庫/椎名誠

時はおそらく近未来。ある「戦後」の国境地帯。街や道路は破壊され、油泥にまみれた海には、異態進化した獰猛な生物が蠢く。混沌としたこの世界に、組織略奪団や「北政府」と呼ばれる謎の勢力と闘いながら、たくましく生きる男たちがいた。頼れるものは、自らの肉体と才覚のみ―。異様だが、どこかノスタルジックな世界を、独特の言語感覚で描きだしたシーナ・ワールドの真骨頂。

 

これは冒険小説的な要素が強いので、エンターテインメント系の小説が好きな人にはいいかもしれません。本書に収録されている「耳切団潜伏峠」がいちばん印象に残ってます。この物語の最後がとても印象的なんです。興味があるかたは読んでみて下さい。

 

 

7.博士の異常な発明/清水義範

ペットボトルをアッという間に分解する“ポリクイ菌”。透明人間の鍵を握る素粒子“ミエートリノ”。ついに出来た(?!)不老長寿の妙薬。はたまた1万年後の考古学座談会…マッド・サイエンティストたちの可笑しくもかなしい大発明の数々!得意のパスティーシュやパロディの手法を駆使し、科学的蘊蓄を注ぎ込み、かつ笑いを追求した会心の連作集。発想のヒネリ技に思わず噴き出す、傑作エンターテイメント。

 

これは不思議な感じもややありますが、面白いほうが強いかなと思います。とくに説明にもある一万年後の考古学座談会を描いた「鼎談 日本遺跡考古学の世界」は秀逸ですね。コンビニやマンションといったものを未来の人たちがこんな風に解釈するのではなかろうかという体で書いているのですが、そんな解釈するかなと笑ってしまいます。

 

 

8.どこにもない短篇集/原田宗典

いつもと同じはずなのに、何かがしっくりこない。テーブルの角が見つめている。部屋に穴があいている。何かがおかしい。この前買ってきたアンティークの鏡台が?祖父が?彼女が?それとも僕自身が―?日常にひそむ些細なずれが、人を恐怖に、あるいは不可思議な世界へと招き入れる。原田宗典が想像力の限界に挑み、現実と虚無の間にひそむ異空間を描いた奇妙な短篇集。

 

”THE奇妙な味”といったところでしょうか。わたしは原田宗典さんが好きなので、贔屓目もあるかもしれませんが。奇妙な味がどんな感じかなと思うのであれば、まずは本書を読んでみたらいいのではないかなと思います。

本書に収録されている「×(バツ)」は、世にも奇妙な物語で阿部サダヲさん主演で映像化されているので、ご存知の方も多いかもしれません。ある日、おでこに×がついているという、突拍子もないところから物語がはじまります。そして、その×の意味を知ったとき……。結末は読んでください。

 

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