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【気象病(天気病)】症状と対策~雨で痛いは気のせい?~

忙しい人のための要約
・天気によって不定愁訴(痛みが増えるなど)が出てくる気象病(天気病)
・天気自体が痛みに関わることは可能性は低い(リウマチの痛み)
・敏感な人は天気によって痛みを生じる可能性がある(リウマチの痛み)
・気象病は生理的・心理的・環境的な複合的因子で発現すると考えられる

 

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目次

◆気象病(天気病)とは

決まった定義はなさそうです。簡単にいえば、「温度や湿度、気圧、天候の変化などから生じる症候群(身体の不調や不具合)」といったところでしょうか。

 

雨の降るまえは古傷が痛むとか頭痛がするとか聞いたことがあったり、実際に体験された方もいるのではないでしょうか。

 

 

◆気象病(天気病)の症状

『その痛みやモヤモヤは「気象病」が原因だった』という本によれば以下のような症状が認められるそうです(1)。

 

気象病 天気病 症状

 

いわゆる不定愁訴(漠然とした自覚症状)ですね。まあ、内心なんでもありっていうのは、少しあやしいですね。

 

頭痛とか肩こり、古傷の痛みなどはわかりますが、脳梗塞とかはよくわかりません。まあ、いろいろな症状がでるということでいいかもしれません。

 

 

◆気象病(天気病)のエビデンスはあるか

さて、エビデンス(根拠)はあるのでしょうか?

 

ひとまずWikipediaを見てみますと、以下のような記載がありました(2)。

Weather pains or weather-related pain, is a phenomenon that occurs when people with conditions such as arthritis claim to feel pain, particularly with changes in barometric pressure, humidity or other weather phenomena. Scientific evidence, however, does not support a connection between weather and such symptoms and concludes that it is largely or entirely due to perceptual errors such as confirmation bias.

天候の痛みまたは天候に関連した痛みは、関節炎のような条件を持つ人々が、特に気圧、湿度または他の気象現象の変化で、痛みを感じると主張するときに起こる現象である。しかし、科学的根拠は、天候とそのような症状との関連性を裏付けるものではなく、確認バイアスなどの知覚の誤りによるところが大きいと結論づけています。

 

科学的根拠によれば、気象と症状の間に関係はなく、確証バイアスのような思い込みだろうとのことです。

 

 

◆論文を探してみた

パブメドで論文を検索してみました。①気象が身体に影響があるもの、②身体に影響がなかったもの、どちらも散見されました。以下にざっと概要を載せておきます。

 

①影響があった論文

・湿度が変形性関節症(以下OA)に影響していた(3)。

・リウマチ(以下RA)は気圧と気温、OAは気温と雨と気圧、線維筋痛症(以下FM)は気圧に関連している。とくに女性は天気に敏感だった(4)。

・低気圧によってRAの痛みが増加する(5)。

・RAは低温と高気圧と高湿度、OAは低温と高湿度、FMは低温と高気圧が関連している(6)。

・関節炎の症状は温度と湿度に関連している(7)。

・約6割のOA患者は天気が痛みに関係していると感じていた。天気に敏感な人は敏感でない人より多く痛み報告した。とくに女性と不安が強い人は天気の変化に敏感でした(8)。

被験者(RA患者)の60%が天気に敏感であると報告した。 6つの気象変数は、日々の疼痛スコアに統計的に有意な寄与をしたが、それらはほんのわずかの影響であった(9)。

 

②影響がなかった論文

・慢性疼痛患者558名を調査した。天候は痛みに影響を与えていなかった(10)。

温度、湿度、気圧、降水量などは腰痛の発症リスクを高めることはなかった。高風速などは腰痛のリスクのわずかな増加させたが、その大きさは臨床的に重要ではなかった(11)。

・変形性股関節症患者を調査したコホート研究。湿度が疼痛に寄与していたが、それはほんのわずかであり臨床的に重要ではないレベルだった(12)。

・RAの症状と天気(気圧・気温・湿度)は関連なし(13)。

 

結局、どっちなんでしょうか?(笑)

 

関連するという報告もあるし、関連しないという報告もあります。気象病とリウマチの痛みについてのシステマティックレビューの報告がありました(14)。

 

どうなっているのでしょうか?

 

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◆気象病のシステマティックレビュー

結果は以下のようになっていました。

 

資料(14)より引用
 

上から温度、気圧、湿度と痛みの相関を表しています。

 

疼痛と3つの気象(温度、湿度、気圧)の相関(Correlation)は、ほぼゼロに近いことがわかりました。 しかし、2つの研究の個々の分析では、RA患者の少数(25%未満)は温度、湿度または気圧の影響を受けることを示していました。

 

つまり、天気自体が痛みに関わることは可能性は低く、天気に敏感な人は天気によって痛みを生じる可能性があるということですね。

 

 

◆心理的なものでは?

天気→痛みというのは早計な気がします。実際、天気と痛みの関連はほぼゼロであるという報告も見てきました。

 

しかし、一部の人には天気によって影響がでるとのこと。推察するに、これは心理的なものが影響しているような気がします。

 

Wuらの報告によると、気象条件によって活動量が低下し、座っている時間が増えているとの報告があります(15)。まあ、当たり前のことなんですが、雨が降ったり、寒かったりすると活動が減り、座る時間が増えます。

 

資料(15)より引用改編
 

私としては、天気が悪い→不動時間の増加→循環低下・心理的因子(不安、思い込みなど)・痛みの集中化→痛み増強という流れではないかと思います。

 

天気が直接影響するというよりは、間接的に影響しているのではないかなと。ゆえに、もともと心理的に不安やトラウマをかかえていると、痛みが増強しやすくなるのではないかと考えられます。簡単にまとめると以下のような感じです。

 

気象病 対策 症状 原因

 

 

◆気象病(天気病)を対処・予防

気象病(天気病)に対する対処法・予防法をいくつか挙げてみたいと思います。

 

①思いこみをなくす

天気が悪いから痛くなるということはないことを覚えておきましょう。

 

雨だからとか考えるのはダメですよ。それは思い込みです。痛くなったとしても、あまり深く考えないようにしましょう。時間の問題ですから。

 

②体を動かす

天気が悪くても家の中でストレッチしたり、足踏みしたりしてなるべく動くようにしましょう。何かに集中することは大切です。

 

じっとしていると、余計に痛みに集中してしまいますから。ほかにも背筋を伸ばすなど姿勢を正すものいいでしょう。家の中でスマホをいじったり、読書していると気づかぬうちに背中が丸くなった悪い姿勢で過ごしがちです。

 

③深呼吸をする

深呼吸は自律神経に影響を与えます。緊張の交感神経が緩んで、リラックスの副交感神経が活発になりますから。鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐きましょう。吐く時間を長くするようこころがけましょう。

 

【資料】

(1)その痛みやモヤモヤは「気象病」が原因だった、渡邊章範、青春出版社、2015

(2)Weather pains(Wikipedia)

(3)The Influence of Weather Conditions on Joint Pain in Older People with Osteoarthritis: Results from the European Project on OSteoArthritis.[PMID:26329341]

(4)Effect of weather conditions on rheumatic patients.[PMID:2322026

(5)Weather conditions can influence rheumatic diseases.[PMID:15633634

(6)Influence of weather conditions on rheumatic pain.[PMID:11838853]

(7)The association between arthritis and the weather.[PMID:9225595]

(8)Self-perceived weather sensitivity and joint pain in older people with osteoarthritis in six European countries: results from the European Project on OSteoArthritis (EPOSA).[PMID:24597710

(9)The association between external weather conditions and pain and stiffness in women with rheumatoid arthritis.[PMID:9228130

(10)Weather changes and pain: perceived influence of local climate on pain complaint in chronic pain patients.[PMID:7659442

(11)Effect of weather on back pain: results from a case-crossover study.[PMID:25044376

(12)Associations between weather conditions and clinical symptoms in patients with hip osteoarthritis: a 2-year cohort study.[PMID:24462921

(13)On the belief that arthritis pain is related to the weather.[PMID:8610138]

(14)Does rain really cause pain? A systematic review of the associations between weather factors and severity of pain in people with rheumatoid arthritis.[PMID:20570193

(15)Weather, day length and physical activity in older adults: Cross-sectional results from the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC) Norfolk Cohort.[PMID:28562613

 

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