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脳科学的に判明!神様の正体は自分自身だ

忙しい人のための要約
脳の神経活動を見ると、自分の考えと神様の考えは同じであることがわかりました。つまり、自分と神様は同じものなのです。神に謙虚であることは、自分に謙虚であることと同じです。謙虚に生きましょう。

 

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目次

◆オレが神様なのだ!

以前、とある芸能人の方が出家してニュースになりました。そのときに「神様」について考えました。

 

ホントに神様はいるのだろうか?

 

そんな折に、赤塚不二夫の著書『人生これでいいのだ!!』を読みました。これは赤塚が読者の問いに対する返答を本にしたものです。ようは人生相談です。

 

著書のなかで、神を信じていますか?という質問に赤塚はこう答えています。

信じない。例えば、キリスト教の聖典だっていう『旧約聖書』読んでみなよ。7日間で世界ができたとか、土から人間が作られたとか、おかしいだろ。常識で考えたってありえないことがいっぱい出てくる。そんなこと、本気で信じてるほうが頭どうかしてるんだ。

(中略)宗教信じてる人間なんて、よほど心の弱いやつか頭の単純な人間じゃないの?

 

私も同感です。信じてもいいけど、それはファンタジーにすぎません。はっきり言って、こんなファンタジーで戦争が起きてしまっていることを残念に思ってます。

 

宗教を信仰することは別にいいと思います。実際、信仰の度合いが強い高齢女性は幸福であるという報告もあります(2)。

 

よろしくないと思うのは、盲信することです。自分でなにも考えず、聖典や教義、教祖の言うことをただ鵜呑みにし、実行する。これは信徒うんぬんではなく、ただの奴隷です。

 

赤塚は回答をこう締めくくっています。

なんで神様を信じないかわかる?だって、オレが神様なんだもん。そう、自分の力を信じるのが一番!これでいいのだ!!

さすが赤塚不二夫です。私も同意見ですね。

 

 

◆オステオパシー医フルフォードの言葉

オステオパシーという医療哲学があります。

 

これは1870年代にアメリカのスティルという医師が創始したものです。そのオステオパシー医学の伝説的な医師がロバート・フルフォードです。オステオパシーやフルフォードのことについて知りたい方は「いのちの輝き」をおすすめします。

 

さて、この本のなかでフルフォードは以下のように語っています。

神はエネルギーというかたちをとって、われわれひとりひとりの内部にいる。現代では、ほとんどの人が、神は内部にではなく外部にいると教えられている。

それがまちがいのもとだと、わたしは思っている。神が内部にいると信じることができれば、自分のからだをもっと大切にするようになる。からだこそ、神殿そのものである。

 

赤塚もフルフォードも神様は外部にいるのではなく、内部(自分自身)にいるということを説いています。

 

わたしもこの考え方に同意しているのですが、これは科学的に証明できるようなものではなく、思想の域を出ませんでした。

 

しかし、科学的にこれが証明されたのです。

 

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◆脳科学で判明~自分と神様は同じ~

アメリカのある実験では、被験者にMRI装置のなかで横たわってもらい、いろいろな社会問題について考えを述べてもらいました(4)。

 

その際、自分の考えだけでなく、平均的なアメリカ人(国民)の考えと神様の考えも述べてもらいました。そして、視点(自分・国民・神)の異なる考えを述べているときの脳の神経活動を測定したのです。

 

結果は以下のように非常に興味深いものでした。色がついているところが、活動が異なっているところです。

 

資料(4)引用改編

 

自分の考えを述べている時と神様の考えを述べている時の神経活動がまったく同じだったのです。

 

神様の考えと思っていたのは、自分自身の考えだったのです。

 

そして、同じ実験では被験者にマイノリティー優遇措置について、説得力のある賛成意見と反対意見のどちらかを聞いてもらいました。予測通り、賛成意見を聞いた人は賛成の意を強くし、反対意見を聞いた人は反対の意を強くしました。

 

おもしろいのは、自分の考えが変わるとそれと同じように神様の考えも変わったのですが、国民(平均的なアメリカ人)の考えは全く変わらなかったのです。

 

つまり、自分の考えが変わると、神様の考えも同じように変わったのです。まさしく、自分は神様なのです!

 

 

◆神様(宗教)はモラルに無関係

もし、信仰心の強い人と無神論者の人が目の前にいたら、どちらが善いことをしそうな感じがしますか?

 

おそらく多くの人は、信仰心の強い人のほうが善いことをするようなイメージを抱くのではないだろうかと思います。しかし、それは誤っている可能性が高いです。

 

2014年のHofmannらの報告によれば、信仰心が強い人と無神論者の人の善行の回数には差がなかったのです(5)。

 

つまり、モラル(道徳)に宗教は関係なかったのです。

 

今まで述べてきたことを読んでくださった方は、理由がわかりますよね。神様の思し召しや宗教的な道徳指針といったものは、神様に判断をゆだねているようで、じつは自分自身にあるのですから。

 

 

 

◆神に謙虚であれ

神様が考えていることは、自分自身が考えていることなのです。神様の考えだからと傲慢にならず、自分自身の考えなのだろうと謙虚でありたいものです。

 

神様に謙虚であることは、自分自身に謙虚であることと同じなのですから。

 

【資料】

(1)人生これでいいのだ!!、赤塚不二夫、集英社文庫、1999

(2)統計学が日本を救う、西内啓、中公新書ラクレ、2016

(3)いのちの輝き、ロバート・C・フルフォードら(上野圭一訳)、翔泳社、1997

(4)Believers’ estimates of God’s beliefs are more egocentric than estimates of other people’s beliefs.[PMID:19955414]

(5)Morality in everyday life.[PMID:25214626]

(6)人の心は読めるか?、ニコラス・エプリー(波多野理彩子訳)、早川書房、2017

(7)できない脳ほど自信過剰、池谷裕二、朝日新聞出版、2017

 

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