この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

    忙しい人のための要約
    長時間すわっていると死亡リスクが高くなることがわかっていますが、貧乏ゆすりをすることでリスクをなくすことが示唆されています。また、整形外科領域ではジグリングとして、治療としても利用されていることがわかっています。周囲に配慮して実践してみてはどうでしょうか。

     

     

    花子
    やめてよ。
    太郎
    なにがっすか?
    花子
    貧乏ゆすりよ!
    太郎
    貧乏ゆすりしてたっすか?
    花子
    揺れまくりよ!
    太郎
    ごめんっす。気をつけるっす。
    SGM
    でもね、貧乏ゆすりは体に良いみたいですよ。
    太郎
    ほんとっすか?

     

    スポンサーリンク

     

    ◆座りすぎは死亡率をあげる

    以前の記事「座りすぎのリスクと対策」で、座っている時間がながくなればなるほど死亡率が高くなることを示しました。

     

    座りすぎの悪影響を予防するために、30分~1時間おきに5分ほど歩くなどの軽い活動を取り入れることをおすすめしました。

     

    ほかにもいろいろ調べていますと、おもしろい調査がありました。タイトルにありますように、貧乏ゆすりが長時間の座位に効果があるというのです。

     

     

    ◆イギリスの「貧乏ゆすり研究」

    これは1999年から2002年にかけておこなわれたイギリスのコホート研究です(1)。

     

    コホート研究というのは、観察研究のひとつで要因とoutcome(結果)の因果関係を推測できる研究方法です。

     

    さて、その研究では12778人の女性(37‐78歳)を対象にして、就寝時間や疲労・身体活動・食事・喫煙状況などを調査しました。

     

    そのなかで座っている時間と貧乏ゆすり(Fidgeting)の関係についても調べています。

     

    貧乏ゆすりについては、まったくしない(1~2)、まあまあする(3~4)、多くする(5~10)の10段階で評価しています。そして、12年間の追跡からの死亡率と分析しました。

     

    結果はいかのようになりました(棒グラフは座っている時間でわけています)

     

    資料(1)より作成

     

    左のグラフを見てください。

    貧乏ゆすりが少なく、7時間以上すわっている女性は、すわっている時間が5時間未満の女性とくらべると、死亡率が30%ふえました。

     

    つぎは右のグラフを見てください。

    これによれば、貧乏ゆすりの多い女性では、すわっている時間が5~6時間の女性は、5時間未満の女性とくらべると、死亡率が37%さがりました。

     

    結果として、貧乏ゆすりが中頻度(まあまあ多い)~高頻度(多い)グループは、長時間すわっていてることで死亡リスクがふえるということはありませんでした。

     

    つまり、貧乏ゆすりをすることで、長時間座位による死亡リスクが相殺されたということですね。

     

    まあ、この研究にはいろいろと問題がありますね。論文にもこう書いてあります。

     

    CONCLUSIONS:
    Fidgeting may reduce the risk of all-cause mortality associated with excessive sitting time. More detailed and better-validated measures of fidgeting should be identified in other studies to replicate these findings and identity mechanisms, particularly measures that distinguish fidgeting in a seated from standing posture.

     

    つまり「この研究をもとにもっと詳細に検証すべきだ」って書いてますね。貧乏ゆすりの定義も明確でないですから。

     

    でも貧乏ゆすりのような足を軽く動かす運動も体には好影響があるのかもしれません。

     

     

    ◆貧乏ゆすりには軟骨再生の効果もある!?

    貧乏ゆすりについて調べていますと、整形外科領域では「ジグリング」と呼ばれていることがわかりました。

     

    広松聖夫医師などが、股関節術後の軟骨再生目的にジグリングを用いている報告がみつかりました(2)。

     

    この報告によると、ジグリング実施群のほうが関節裂隙が対照群とくらべて有意に開大した人が多かったです。

     

    資料(2)より作成

     

    論文では、ジグリングの関節運動により関節軟骨へ栄養が取りこまれたからと考察しています。

     

    論文で紹介されている症例では、術後22年たっていてもジグリングを2か月おこなったところ関節裂隙に開大がみられています。それは1年たっても継続していて、MRIでは軟骨が再生しているが確認されました。

     

    資料(2)より引用改編

     

    貧乏ゆすりは治療になる可能性もありますね。

     

     

    ◆貧乏ゆすりの方法と注意

    貧乏ゆすりは、したのイラストのような方法があるようです。

     

    資料(2)引用改編、資料(3)出典

     

    まあ、説明するまでもないかもしれません。

     

    注意点としては場所ですよね。Wikipediaにはこんな風に書かれています。

     

    大抵の場合において、貧乏揺すりをしている人は、人に指摘されるまで気づかないことも多く、無意識に癖としてやってしまうことも多い。また、多くの場合において品を欠く行為・悪い癖だとされる。

     

    そうです。貧乏ゆすりは周囲へ不快感をもたらす可能性があります。おこなうときは周囲への配慮も忘れないようにしたいものですね。

     

    【資料】

    (1)Sitting Time, Fidgeting, and All-Cause Mortality in the UK Women’s Cohort Study.[PMID:26416340

    (2)広松聖夫ら:Jiggling(貧乏ゆすり)を併用したキアリ骨盤骨切り術.整形外科と災害外科.Vol.62 No.3、436-445.2013

    (3)一生寝たきりにならない体は「貧乏ゆすり」でつくる!、井上明生、日本文芸社、2012

     

    スポンサーリンク

     

    Pocket
    LINEで送る