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◆はじめに
以前『お金の不安がうつ病の原因?低所得層への社会保障を拡充!』という記事で、お金の不安がある人は、うつ病になりやすいかもなどを紹介しました。
今回は、お金の不安があると痛みが増強されるかもしれないという報告を紹介したいと思います。
◆失業率が高いと鎮痛薬の消費量が増える
バージニア大学の報告で、アメリカの3万3720世帯を対象に、雇用状況(失業率)や鎮痛薬の消費量などを調査しました(1)。
それによると、雇用状況(失業率)と鎮痛薬の消費は、有意に正の相関があることがわかりました。また、以下のようにも言及されています。
たとえば、少なくともだれか1人でも働いている家庭と比較すると、両方とも働いてない家庭は鎮痛薬を20%ほど多く消費していた。
for example, that compared with households with at least one head employed, households with both heads unemployed spent 20% more on painkillers in 2008
まとめますと、失業率が高い(=お金の不安がある)家庭では、鎮痛薬の消費が多くなっていた。つまり、痛みを感じやすくなっている可能性があるということです。
◆経済的不安は痛みを増加させる
同報告ではいくつか実験をしているのですが、それをまとめてみると、経済的不安は痛みの増加と関係していることが示されました。
資料(1)より引用
赤い菱形は、全体的な効果の見積もりをあらわしています。 プラスの効果の大きさは、経済不安の結果としての痛みの増加を反映しており、マイナスの効果の大きさは痛みの減少を反映しています。
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◆お金の不安どうすればいいのか?
お金の不安が、痛みを増強させる可能性があるということを紹介しました。対策としては、どうすればいいのでしょうか。
1.収入を増やす(支出を減らす)
まずは収入を増やすにように試みるということでしょう。共働きができるなら共働きする。また、副業をしてみるというのもありでしょう。
しかし、稼ぎを増やすというのは、言うのは簡単ですけど難しいですよね。ですので、支出を減らすというのが現実的ではないでしょうか。
支出を減らせば相対的にお金が手元に残りますから。たとえば、出産にともない国民年金保険料が免除されるといった制度もあります(参照:国民年金保険料の産前産後期間の免除制度)。
ほかにも携帯電話を格安SIMに変えるなどもあるでしょう。
こういった節約情報を収集して、支出を減らせば貯金ができ、お金に余裕がでてくる可能性が高まりますよね。
2.お金がなくてもなんとかなるさと思う
日本はなんやかんや言うても、最終的には生活保護というセーフティーネットがあります。よくいわれるように、年金よりも額が多いなんていわれて批判されるくらいですから(それも違和感あるけど)、生活保護になればなんとか生きていけます。
楽観主義の人は長生きであったり、病気にかかるリスクが低下しているといった報告もあります(2)。
将来が不安だぁ~って思い過ぎるのではなく、楽観的に「最後は生活保護に頼ればいいか」「なんとかなるさ」くらいに考えるのがいいでしょうってことですね。
3.社会保障拡充の政党に票を入れる
これはいちばん遠回りな方法でしょう。いまの自民党は緊縮政策で、お金を出さずに削減という政策をすすめています。批判も多い消費増税を、自民党は躍起になって現在進行形で進めています。
そういう政党ではなく、反緊縮(消費税凍結または減税、財政出動など)を掲げている政党に投票するというのも手ですね。
緊縮という経済政策は、人が死んでしまう可能性があります。くわしく知りたい人は以下の本がオススメです。
もし、3億円が無条件で貰えることになったら、痛みを抱える患者さんがガクッと減るかもしれませんね。
【資料】
(1)Economic Insecurity Increases Physical Pain.[PMID:26893293]
(2)Optimism and Cause-Specific Mortality: A Prospective Cohort Study.[PMID:27927621]
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