忙しい人のための要約
    ビタミンDを活性化するにはマグネシウムが欠かせないということがわかっています。ビタミンDを活性化させたいのであれば、多くの日本人に不足が疑われるマグネシウムの摂取を心がけたほうがいいかもしれません。

     

     

    ◆ビタミンDと疾患、活性化のおさらい

    これまでビタミンDと疾患について記事を書いてきました。

    骨粗鬆症

    糖尿病

    腰痛

     

    疾患によっては、ビタミンDの摂取は重要である可能性があることを書いています。しかし、ビタミンDが体内で活かされるには、鉄やマグネシウムといったミネラルが欠かせません。これらが不足すると、ビタミンDは活躍することができないのです。

     

    ビタミンDの活性化については、日光によるビタミンDの生成と不足・欠乏の判定についてにくわしく書いていますので参照にしてください。

     

     

    簡単に書いておきます。上の図を見てください。ビタミンDは肝臓や腎臓で代謝されないと、人体で利用することができないというのがポイントです。とりあえず、これだけを覚えておいてください。

     

     

    ◆マグネシウムはビタミンD活性化に必須

    下の図が、ビタミンDを活性化するときにマグネシウムが重要ということをあらわしています(1)。Mgというのがマグネシウムのことです。

     

    資料(1)より引用

     

    日光の曝露(sunlight exposure)や食事・サプリメント(Diet・Supplement)などから生成されたビタミンD2・D3は、ビタミンD結合タンパク質(DPT:vitamin D-binding protein)に結合して血中を運ばれます。このビタミンD結合タンパク質が活性化するにも、マグネシウムが欠かせません。

     

    ビタミンDは肝臓に運ばれます。そして肝臓内で、25-ヒドロキシラーゼ(25-hydroxylase)によって25-ヒドロキシコレカルシフェロール(25 [OH] ₂D)になります。これを水酸化(ヒドロキシ化)といいます。

     

    このヒドロキシラーゼはシトクロムP450を成分としており、シトクロムP450は鉄が必須です。鉄不足の人は注意が必要ですね(参照:鉄欠乏症(鉄欠乏性貧血)の症状)。そして、このヒドロキシラーゼにもマグネシウムが必要となります。

     

    そして腎臓に運ばれると、また水酸化されます(1α hydroxylase)。これにもマグネシウムが必要となってきます。そこで生まれた1,25(OH)₂DがVDR(ビタミンDレセプター)に働きかけることで、ビタミンDとして活用されるわけですね。

     

    ざっと大まかに書いてきましたが、ビタミンDの活性にマグネシウムがいかに重要であるかがわかってもらえたと思います。

     

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    ◆マグネシウム摂取で好循環になるかも!?

    古い報告になりますがマグネシウムを摂取することで、ビタミンD抵抗性が著しく改善したという報告があります(2‐4)。

     

    また、マグネシウム消費量が多い人ほど骨密度が高く、骨粗鬆症リスクが低いという報告もあります(5)。

     

    マグネシウムはビタミンD合成に必須であり、活性化ビタミンDはマグネシウムの腸内吸収を増加させるといわれています(1.6)。マグネシウムを摂取することでビタミンDが活性化され、それによりマグネシウムの吸収がアップするという、プラスのスパイラルになることが予測されます。

     

    つまり、マグネシウムの摂取量を増やすことで、それにともない活性型ビタミンDやマグネシウムの恒常性が高まるのでいいかもねということです。

     

     

    ◆日本人のマグネシウム摂取は足りていない

    『日本人の食事摂取基準(2015 年版)』・『平成 26 年 国民健康・栄養調査結果の概要』を見ると、日本人のマグネシウム摂取量は推奨量に届いていないことがわかります。つまりは、不足している可能性が高いということですね。

     

    北村らは、若年者のマグネシウム摂取にたいする知識はほぼない状態で、また知識不足に対する教育・情報提供がされていないと指摘しています(7)。

     

    以上のようなことを踏まえ、適切なマグネシウム摂取に向けてのさらなる取りくみが、より不可欠であるとしています。

     

    この報告は対象者が少ないのですが、個人的な感覚としてもマグネシウムについて知っている人は少ないように思います。医療や栄養関連の職種でない人で、マグネシウムってなんですか? と訊かれて答えられる人は少ないのではないでしょうか(医療関係者でも答えられる人は少ないかも……)。

     

    まあ、ビタミンDを活かしたいのであれば、マグネシウム摂取を心がけることが大切なのかもしれませんね。

     

    【資料】

    (1)Role of Magnesium in Vitamin D Activation and Function.[PMID:29480918]

    (2)Magnesium metabolism and its disorders.[PMID:18568054]

    (3)Serum magnesium levels in children with vitamin D deficiency rickets.[PMID:618045]

    (4)Magnesium studies in relation to vitamin D-resistant rickets.[PMID:6036190]

    (5)Short-term oral magnesium supplementation suppresses bone turnover in postmenopausal osteoporotic women.[PMID:19488681]

    (6)Clinical implications of disordered magnesium homeostasis in chronic renal failure and dialysis.[PMID:19250445]

    (7)種々のミネラル・微量元素摂取の現状と課題、北村 真理ほか、Biomedical Research on Trace Elements :19 巻 (2008) 4 号 325-329

     

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