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    忙しい人のための要約
    職場の人間関係は仕事への取り組みや熱意、健康状態(寿命)、人間関係、幸福度の向上に関係しているという調査があります。また、職場での他愛もない雑談が職場の生産性を高めることも報告されています。職場の人間関係は重要ですので、軽視しないほうがいいかもしれません。

     

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    ◆職場の人間関係は軽視されている?

     

    以前、上記のようなツイートをしました。職場の人間関係を軽視する人もいるようですが、思ったよりも大切なんです。

     

     

    ◆職場に最高の友人はいますか?

    世論調査などをおこなうアメリカの企業であるギャラップ社が、世界各国の会社員約1500万人に質問してきたのが「職場に最高の友人と呼べる人がいますか?」というものです。以下、『幸福の習慣』より引用します。

     

    「職場に最高の友人と呼べる人がいますか?」という質問に「はい」と答えた人は全体の30%でした。

    この30%の仕事へのエンゲージメントレベル(仕事の成果や顧客満足に対するコミットメント、仕事に対して常にベストを尽くそうとする強さ)は、「いいえ」と答えた人の7倍にも達しました。

    さらに彼らは、健康状態や人間関係など、幸福度全体の数値が(「いいえ」と答えた人に比べて)圧倒的に高いのです。別の角度から見ると、”職場に最高の友人がいない”会社員が仕事に熱意を持って取り組み成果を出せる可能性は、”職場に最高の友人がいる”会社員の12分の1しかありません。

     

    職場に最高の友人がいることで、仕事への取り組みや熱意、健康状態、人間関係、幸福度が向上していることがわかっているのです。最近、プレゼンティーイズム(Presenteeism)という概念が注目されています。プレゼンティーイズムというのは、

     

    従業員が出社していても、何らかの不調のせいで頭や体が思うように働かず、本来発揮されるべきパフォーマンス(職務遂行能力)が低下している状態のこと。日本語では「疾病就業」と訳されます。

    頭痛や胃腸の不調、軽度のうつ、花粉症のアレルギー症といった、つらくても無理をすれば出社できる程度の疾病が原因で発生するプレゼンティーイズムによって、全米では年間約1500億ドルの損失が出ているといわれます。

    コトバンク

     

    こういう側面から見ても職場に最高の友人がいるというのが非常に大切であることがわかります。

     

     

    ◆職場での他愛もない雑談が大切

    もちろん、最高の友人までとはいかなくとも職場の人間関係を良好にしておくことは大切です。マサチューセッツ工科大学が会社員にモニターをつけて、その日の行動や会話などを分析しました(1)。

     

    その結果、ちょっとした他愛もない雑談が職場の生産性を高めるうえで重要であることがわかりました。

     

    職場で他愛もない雑談をできるというのは、職場の人間関係や雰囲気が大切であると思います。仲の悪い人が多かったり、職場の雰囲気が悪いと他愛もない雑談さえ億劫になってしまうからです。

     

    職場に仲良しをつくるというのは、いわば職場の人間関係や雰囲気の良好化につながると思います。そういう人を軽視してしまう職場こそ未来がないように思えるのです。

     

     

    ◆職場の同僚が寿命を左右する!?

    また、職場の同僚が寿命に関わってくるという報告もあるようです。『友だちの数で寿命は決まる』より引用します。

     

    イスラエルのテルアビブ大学のアリ・シローム先生らは、1988年から20年間にわたり、成人820人に健康診断と職場の状況についての聞き取り調査を行いました。

    その結果、職場で仲間からの社会的サポートをほとんど受けていないか、あるいはまったく受けていないグループは、サポートを受けていたグループと比べて調査期間中の死亡率が2.4倍にのぼりました。その一方、上司が友好的であるかどうかは死亡率にほとんど影響しなかったのです。

     

    職場の人間関係が不良だと死亡率が高くなる可能性があるということですね。書籍の筆者はつながりによってストレスが分散され、寿命が延びたのではないかと指摘しています。

     

    たしかに仲が悪いところにいると心理的なストレスがかかるのは容易に予想できます。こんなことが寿命にまで関わってくる可能性があるというのはなかなか面白いですね。

     

     

    ◆細井平洲の言葉

    上杉鷹山の師である細井平洲をご存知でしょうか。細井平洲は江戸時代の儒学者で、非常に演説が上手な人だったようです。平洲が語りだすと人だかりができて、やがてその話にすすり泣く人が絶えなかったといわれています。

     

    そんな平洲の遺著『嚶鳴館遺草』には、「十人に三人とも、不良の臣交わりつかうまつれば、七人の忠良は有りてもなきが如し」という言葉がでてきます。

     

    つまり、十人のうち七人が優れた人であっても、三人がよくないと七人はいないのと同じようなもんだ、みたいな意味です。これは人選の重要さを説いているように思いますが、やや拡大解釈すると職場のコミュニケーションがいかに重要かということを指摘しているようにも思えます。

     

    職場の雰囲気が悪くなると派閥みたいなものができやすくなる。そうなってしまうと、さきほどの言葉でいえば3人グループと7人グループができてしまい、両者は互いを憎しみあったりしてどんどん人間関係や雰囲気が悪くなってしまう。常日頃からコミュニケーションを取り合うようにして、変に派閥(不良グループ)ができないような組織づくりが大切なのではないでしょうか。

     

     

    ◆人間関係は大切にね

    どうせ働くのなら楽しいほうがいい。その根底をなすのは職場の人間関係だとおもいます。人間関係を良好にしようとするような人を大切にしましょう。そういう人を重視する職場はまわりまわってみんなが幸せになる可能性があるのですから。

     

    【資料】

    (1)Every move you make

    (2)幸福の習慣、トム・ラス、ジム・ハーター(森川里美訳)、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011

    (3)友だちの数で寿命は決まる、石川善樹、マガジンハウス、2014

    (4)日本人の叡智、磯田道史、新潮新書、2011

     

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