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「乳酸は疲労物質ではない」の嘘~間接的な疲労物質?~

忙しい人のための要約
糖質を中心に食事をしている日本人は、ビタミンB₁が不足し、乳酸がたまっている可能性があります。乳酸がたまると、コリ回路によってATP(エネルギー)不足になり、疲れやすくなってしまいます。乳酸はそのものは疲労物質ではありませんが、間接的に疲れやすくなることが考えられます。

 

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◆プロローグ

太郎
最近、疲れやすいっす。乳酸のせいっすかね?
花子
乳酸がつかれの原因って聞くもんね。
SGM
太郎くん、花子ちゃん。最近の研究では乳酸と疲労は直接の関係はないといわれています。
太郎
じゃあ、乳酸は疲労に関係ないっすか?
SGM
一概にそうとはいえないと思いますね。
太郎・花子
どういうこと?
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目次

◆乳酸とは

SGM
乳酸は糖の代謝である解糖系のなかで生成される物質です。
太郎
よくわかんないっす。
SGM
まずは糖の代謝についてみていきましょう。

 

 

白ご飯やパン、麺類などの炭水化物は、体のなかに入るとグルコースという物質に分解されます。

グルコースをピルビン酸という物質に変えていくまでの流れを、解糖系といいます。このピルビン酸から乳酸が作られます。

 

 

◆乳酸と疲労は関係ない?

アレックス・ハッチンソンさんの『良いトレーニング、無駄なトレーニング』より引用します。

 

従来、乳酸は運動における諸悪の根源だと考えられてきました。(中略)

しかし、現在ではこの考えが誤りであることが明らかになっています。実は、乳酸は筋肉痛を生じさせる物質ではなく、筋肉にとって不可欠の燃料だったのです(中略)。

花子
つまり、乳酸もエネルギー源になるってこと?
SGM
そうなんですが、そこに問題があるんです。
花子
問題?

 

 

◆ビタミンB₁が重要

SGM
ピルビン酸をATPに変える経路を見ていきましょう。
太郎
ATPってなんっすか?
SGM
ATPはアデノシン三リン酸のことで、エネルギー源のことです。

 

 

グルコースがピルビン酸になるまでが解糖系でした。解糖系は細胞質というところで行われています。

解糖系で作られたピルビン酸をATPに変えていくためには、ミトコンドリアでアセチルCoAという物質に変えていく必要があります。

花子
グルコース

→ピルビン酸(解糖系)

→アセチルCoA(ミトコンドリア)

ということ?

SGM
そうです。そのピルビン酸→アセチルCoAの反応を起こすために、チアミンピロリン酸(TPP)という補酵素が必要になります。
花子
補酵素って?
SGM
簡単にいえば鍵みたいなものです。玄関をあけようと思ったら鍵が必要ですよね。鍵がないと玄関はあかないので、家のなかに入れません。そういう反応を起こすうえで欠かせないものが補酵素なんです。
花子
なるほど。

 

このTPPはビタミンB₁からつくられます。ここに大きな問題があります。

 

糖質が過剰に多いと、ビタミンB₁欠乏症になるのです。

 

日本人は糖質を中心に食生活を送っている人が大半です。

つまり、ビタミンB₁欠乏症になりやすいのです。糖質過剰で、鍵であるビタミンB₁が不足するとどうなるでしょうか?

 

 

◆ビタミンB₁不足で乳酸がたまっていく

 

ビタミンB₁が不足すると、ピルビン酸をアセチルCoAに変えることができなくなります。

つまり、ピルビン酸の渋滞がおこるわけです。

 

こうなると、必然的にピルビン酸を乳酸に変えざるをえなくなります。すなわち、乳酸がたまっていくわけです。

花子
でも、乳酸はエネルギー源になるんじゃないの?
SGM
それは、ビタミンB₁をしっかりとっていればの話ということですね。
花子
いまの人は糖質が多くてビタミンB₁が不足しているから、乳酸をエネルギーに変えられないのね。
SGM
そういうことです。

 

ビタミンB₁不足について、三石巌は著書『からだの中から健康になる長寿の秘密』で、電車のなかで居眠りしている人はビタミンB₁が不足しているからではないかと指摘しています。

 

朝、電車に乗っているとこっくりこっくりしている人が多いのも、ビタミンB₁が不足が原因かもしれませんね。

 

 

◆コリ回路によってエネルギー欠乏へ

花子
でも、乳酸がたまるだけじゃ疲れないんじゃないの?
SGM
では、たまった乳酸がどうなるのか見ていきましょう。

 

アセチルCoAに変えることができなかったピルビン酸は、乳酸になります。

 

からだには乳酸がたまらないように、乳酸をもとのグルコースに変える機能があります。その機能の流れのことをコリ回路といいます。

コリというのは、この経路を発見したコリ夫妻のことです。

花子
コリ回路ってどんな経路なの?
SGM
下のがコリ回路ですね。

 

 

乳酸は肝臓に運ばれます。そこで糖新生という体内で糖をつくる代謝を経て、グルコースに戻されます。

そして全身にもどり、解糖系を経て、ピルビン酸になります。このぐるっと回るながれをコリ回路といいます。

SGM
ここに問題があります。
花子
問題?

 

コリ回路(Wikipedia)から引用します。

ATPの数を見てみると、1回あたり嫌気呼吸で2分子のATPが生成し、糖新生で6分子のATPが消費されるため、正味4分子のATPが減少している。このためコリ回路はエネルギー消費系(同化過程)である。

SGM
つまり、コリ回路がはたらくほどエネルギーであるATPが不足していくわけです。
太郎
じゃあ、エネルギー不足になるんじゃないっすか?
SGM
そういうことです。乳酸そのものは疲労の原因ではありません。しかし、乳酸がたまってコリ回路がはたらくとATPが不足してしまい、間接的につかれやすくなってしまうわけですね。
太郎
なるほどっす。

 

 

◆乳酸をためるな!

乳酸をためてしまうと、間接的に疲れやすくなってしまうことがわかったと思います。乳酸をためないためにはどうすればいいのか?方法としてはふたつあります。

①糖質をへらす(糖質制限)

②ビタミンB₁を増やす

 

①糖質をへらす(糖質制限)

まずは糖質の過剰摂取をやめることでしょう。つまり、糖質制限をするということです。

 

糖質はビタミンB₁を多く消費し、ビタミンB₁欠乏症を引きおこします。ビタミンB₁が不足すると、ピルビン酸をアセチルCoAに変えるTPPという補酵素が足りなくなります。

 

したがって、まずはビタミンB₁を消費してしまう糖質の量を減らすことが重要なのです。

 

②ビタミンB₁をふやす

もうひとつは、ビタミンB₁をしっかり摂取することですね。ビタミンB₁が足りていれば、ピルビン酸をアセチルCoAに変えることができますから。

 

ビタミンB₁はとくに豚肉に豊富にふくまれています。ウナギなどにも多いようです。

 

手軽に摂取したい人は、ビタミンBのサプリメントもありますので、利用されてみてもいいかもしれません。

ビタミンBは多くの代謝に欠かせないものですが、不足しやすいのでサプリメントのほうが効率的かもしれません。

 

したに紹介しているLIFE STYLEのサプリメントは、天然(自然)のもので、防腐剤・人工着色料・化学溶解剤・食塩・砂糖は一切使用していないのでおすすめです。コンプレックスといって、ビタミンB群をまとめてとれるので、小分けにとるより楽です。

 

【資料】

(1)良いトレーニング、無駄なトレーニング、アレックス・ハッチンソン(児島修訳)、草思社、2012

(2)超入門生化学・栄養学、穂苅茂ら、照林社、2006

(3)からだの中から健康になる長寿の秘密、三石巌、祥伝社黄金文庫、2016

(4)コリ回路(Wikipedia)

(5)生化学辞典第4版、今堀和友ら、東京化学同人、2007

 

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