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【親の対応】いじめからは夢を持って逃げましょう!

忙しい人のための要約
『いじめからは夢を持って逃げましょう』(長野雅弘 著)を参考に親ができるいじめ対策について解説。いじめは子どもだけで解決できるものではありません。いじめの最悪の結末は自殺です。自殺を回避するためには、最後に子ども守れるのは親であるということを認識する必要があります。

 

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目次

◆いじめの定義

いじめの定義は、時代によって変わっています。文部科学省の「いじめの問題に対する施策」を参照にして、変化を追っていきます。

 

 

(1)昭和61年度からの定義

「いじめ」とは、「①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているものであって、学校としてその事実(関係児童生徒、いじめの内容等)を確認しているもの」。なお、起こった場所は学校の内外を問わないものとする。

 

(2)平成6年度からの定義

「いじめ」とは、「①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているもの」。なお、 起こった場所は学校の内外を問わないとする。なお、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと。 

 

(3)平成18年度からの定義

個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。 

 

(4)平成25年度からの定義

いじめ防止対策推進法の施行に伴い、平成25年度から以下のとおり定義されています。

 

「いじめ」とは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。

 

「いじめ」の中には、犯罪行為として取り扱われるべきと認められ、早期に警察 に相談することが重要なものや、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるような、直ちに警察に通報することが必要なものが含まれる。

 

これらについては、教育的な配慮や被害者の意向への配慮のうえで、早期に警察に相談・通報の上、警察と連携した対応を取ることが必要である。

 

 

◆いじめは被害者中心であり、犯罪行為

いじめ定義の流れを見てきました。

 

つまり、いじめは第三者がとやかく言うことではなくて、本人がいじめられていると思ったらいじめ。そして、ケースによっては警察の介入が必要な犯罪行為あるということです。

 

最近のニュースを見ていると調査委員会などが「これはいじめではない」とか報告してますが、何様なのかなと思いますね。

 

調査委員会が被害児童の心理を勝手に決めつけているわけです。この程度では苦痛を感じるわけないからいじめではありませんよ、という感じです。気持ちはこうだと押しつける行為は人権の蹂躙です。

 

 

◆いじめは増えていない、認知が増えただけ

いじめ 統計 データ 認知

資料(1)より引用

 

文部科学省の統計によればいじめは増えています(平成22年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査)。

 

しかし、いじめなんていうのは人間が一緒に暮らしている限り必ず発生します。大人だって部落差別といったいじめをしてきました。そういったことを鑑みると、急にいじめが増えたというのはいささか不可思議です。

 

これは、いじめが増えたのではなく、いじめの認知(発見)が増えたということなんです。つまり、学校がいじめに対して以前より積極的に対応するようになったということでしょう。

 

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◆いじめ問題、親の対応が不可欠

いじめは子どもの問題だから、親がしゃしゃり出ることではないと考えている人もいるかもしれません。そういう判断をするのは勝手ですが、お子さんが自殺してもそう言えますか?

 

「私もいじめられてたけど、それを乗り越えて強くなったから」という人もいるかもしれません。あなたと子どもは同じ人間ですか?と問いたいですね。自分ができたから子どもも出来るというのは、思い上がりですし、たんなる傲慢です。

 

子どもというのは、親が考えている以上に残酷なことをします。意識していようが、無意識であろうが悪いことをするものと考えていたほうがいいでしょう。

 

ゆえに親の介入は不可欠です。親が、悪いことをしている、誤ったことをしている子どもに介入するのは当たりまえです。

 

いじめには親の介入が必須です。自分の子どもは、自分たちで守るという意識を持たねばなりません。

 

学校に任せようなんて、他人ごとに考えてるから、子どもは絶望して自殺を選んでしまうんです。自分の子どものことを他人(学校)に任せるようなことはやめましょう。

 

 

◆いじめは早期発見が大切

なんでも早期発見が大切です。がんでも初期であれば手術で取り除くことができます。しかし、大きくなってしまったがんは取り除くことが難しいですよね。

 

いじめも同じです。小さな芽のうちに摘み取ってしまえば、大事に至らなくてすみます。そのためにはいじめの早期発見が大切です。早期発見のためにはどうすればいいのでしょうか。

 

いじめ 親の対応 どうする

 

(1)違和感を見逃さない

まずは違和感を見逃さないようにしましょう。

 

なんだかいつもと違うなぁなんていうのは、赤ん坊のときから育てていればわかるものと思います。いつもより笑ってないとか、ご飯を残すとか、喋らないとか、ほんの些細な違和感を見逃さないようにしましょう。 

 

(2)調査する

違和感を感じたら子ども部屋や持ち物などを調査しましょう。

 

教科書に悪口(落書き)が書かれてないか、靴や服が極端に汚れてないか(破れてないか)、お金が紛失してないか。徹底的に調べましょう。躊躇しないようにしてください。自分のこどものために、親が行動するのは当然です。

 

 

◆いじめを発見したらどう対処するか

いじめ 親の対応 どうする

 

(1)子どもに訊く

本人に訊かないことには話が進みません。まずは確認しましょう。

 

ここで子どもがいじめられていると言ったとき、間違っても「いじめに負けるな、がんばって学校に行くのが大切」なんて馬鹿げたことは言わないようにしましょう。

 

子どもはすでに頑張ってますよ。もしかしたら、親に心配かけないように、ばれないようにしている健気(けなげ)な子もいるかもしれません。

 

子どもに責任を負わせてはいけません。その重責に耐えきれなくなって子どもは自殺を選択してしまうんです。 

 

 

(2)学校に問い合わせる

まずは担任、そして問題が解決しないときは教頭や校長とも話をしましょう。話をするときは録音機器を忘れないように。

 

学校によっては事なかれ主義で、はぐらかそうとする不貞の輩もいるかもしれません。 

 

 

(3)教育委員会に相談する

学校よりも教育委員会のほうがましなことがあります。

 

教育委員会は首長(知事や市長)の任命で決定されますから、力をもっている人が関わっていることが多いです。そこに相談したほうが話が早いという可能性があります(トップダウン的)。

 

学校は嫌な顔をするかもしれません。そんなのはほっときましょう。そもそも学校がきちんと対策を講じてないがゆえに、教育委員会に相談することになってしまったのですから。

 

 

◆親ができる具体的な方法

 

(1)いじめから守ることを約束する

いじめがわかれば、子どもを励ましましょう。子どもが悪くないことを伝えましょう。そして、子どもを守ることを親が約束しましょう。

 

子どもはいじめられていることに、後ろめたさや恥を感じているものです。「悪いのはいじめっ子であって、あなたではない」ということを伝えないといけません。

 

そして、子どもの気持ちにも耳を傾けましょう。子どもにもいろいろ言いたいことがあるものです。親がそれを遮ってはいけません。少なくとも3分間は何も言わずに、傾聴しましょう。

 

そして、子どものためにいじめと徹底的に闘うことを約束しましょう。

 

「強くなりなさい」とか「気にしないでいればいい」なんていう責任をすべて子どもに押し付けるような無責任なことはやめましょう。子どもの小さな心では耐えきれませんよ。 

 

 

(2)転校も考慮する(孟母三遷のすすめ)

転校も考慮しましょう。

 

被害者が転校するというのは、道理にあいませんが現行の法律では加害者を転校させるといった対処は難しいです。また、いじめられていた学校に行くのは、やはり心苦しいところもあると思うので、心機一転して転校するというのは選択肢としてアリかと思います。

 

『孟母三遷』という「教育には環境が大切」ということを意味する言葉があります。古代中国の孟子の母親が孟子の教育のために何度も引っ越しをしたことから、そういう言葉が生まれたようです。

 

これとおなじで、いじめという悪環境から脱するには転校というのは良い選択肢です。これは「逃げ」ではありません。自分をよい環境に持っていこうとするのは、自然の摂理ですし、戦術としては当たり前のことです。

 

逃げたと恥を覚えるお子さんもいるかもしれませんが、そういうことをきちんと説明するも大切です。

 

 

◆いじめは大人の腕の見せ所

いじめは大人がいかにうまく対応できるかにかかっています。そして、大人の勇気が不可欠な問題でもあります。

 

事なかれ主義や隠蔽体質を打ち破るには勇気が必要です。もしかすると、白い目で見られたり、クレーマー扱いされたりするかもしれません。でも、子どもはそれまでひとりで闘ってきたのです。大人が、親が、教育者がそこから逃げてどうするのですか。

 

いじめから子どもが逃げるには恥でもなんでもなく、当たり前のことですが、いじめから大人が逃げるの卑怯であり、恥ずかしいことです。姑息(その場しのぎ)な手段はなにも解決してくれません。大人が勇気をだし、解決に向けて地道に話を進めていくしかないのです。

 

とくに親こそ頑張らないといけません。子どもの笑顔や将来を守れるのは、親です。そこで頑張らないでいつ頑張るのでしょう。

 

自分たちで解決できなければ、学校、教育委員会、警察、弁護士などに協力をお願いしたらいいんです。

 

文部科学省の定義でもいじめは警察が介入できる犯罪であると謳っています(→いじめと犯罪については「学校と体罰とルール」を参照してください)。

 

自殺という最悪の結末にならぬよう、勇気を出しましょう。

 

 

◆おすすめの本

この記事を書くにあたって、参考にしたのが『いじめからは夢を持って逃げましょう!』です。いじめに困っている親御さん、教育者の方は一読されてはどうかと思います。

 

【資料】

(1)平成22年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査

(2)いじめからは夢を持って逃げましょう、長野雅弘、PanRollig、2017

 

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